調査会社ギャラップが実施した最新調査で、アメリカ人の政府に対する不信感が過去20年間で最も深刻な水準に達したことが明らかになりました。「政府全体に汚職がはびこっていると思うか」という質問に「はい」と答えた人の割合は、2024年の73%から2025年に79%、2026年には89%へと急上昇しています。この数字は2006年の調査開始以来、最悪の結果です。

🔍 支持政党で大きく異なる「腐敗」の見え方
興味深いのは、支持政党による認識の違いです。民主党支持者の間では、政権交代後に急激に数値が上昇しました。2024年(バイデン政権末期)には57%だったのが、2025年に76%、2026年には91%に達しています。一方、共和党支持者は政権が自党に移った後もやや低下したものの、依然として高水準を維持しています。ギャラップは「民主党支持者は『どの政党が政権を握っているか』を重視する傾向が強く、共和党支持者は政権の枠を超えて根本的な腐敗があると見なす傾向がある」と分析しています。

🌍 国際比較で浮かび上がるアメリカの異質さ
この89%という数字は、先進国の中でも突出しています。ギャラップが132カ国を対象に実施している同様の調査で、2023年以降に89%を上回ったのはレバノン(2024年92%)、ペルー(2025年92%)、ガーナとナイジェリア(いずれも2024年90%)のわずか4カ国のみです。OECD加盟38カ国の中央値を見ると、2009年の69%から2022年以降は60%未満に低下しており、アメリカの上昇傾向とは対照的です。

📌 調査から見える主なポイント
- 全体で89%が「政府の腐敗は広範囲」と回答(過去20年で最高)
- 民主党支持者:57%(2024年)→91%(2026年)と急上昇
- 共和党支持者:政権交代後も高止まりを維持
- 企業の腐敗認識との差が18ポイントと、国際的に見ても極めて大きい
- OECD諸国の中央値(60%未満)を大きく上回る水準
企業の腐敗認識についても71%と高いものの、政府との差が18ポイント開いており、こうした乖離は他国ではほとんど見られない現象です。一般的に「政府が腐敗している」と考える人は「企業も腐敗している」と考える傾向が強いのですが、2026年のアメリカはその法則からやや外れています。

⚠️ 信頼低下がもたらす社会的影響
政府への不信が高まる背景には、長年の政治的分極化や、メディア環境の変化、経済格差の拡大などが指摘されています。過去の調査では「政府は腐敗しているため武装蜂起が必要」と考える人が一定数存在するなど、民主主義の基盤そのものに影響を及ぼすリスクも指摘されてきました。腐敗認識の高まりは、投票行動や公共サービスへの協力意欲、さらには社会全体の結束力にも影響を与えかねません。

✨ まとめ
ギャラップの調査結果は、アメリカ社会における政府への信頼が歴史的な低水準に落ち込んでいることを明確に示しています。支持政党によって「腐敗」の定義や感じ方が異なる点も興味深く、単純な数字以上に複雑な民意が反映されています。先進国としては異例の高水準であり、今後の政治・社会動向を考える上で重要な指標となりそうです。
