🌌 ウルトラブラックとは?
「ウルトラブラック(Ultra-black)」とは、光の99.5%以上を吸収してしまう超・黒色のこと。普通の黒色とは一線を画す、まさに“漆黒”のような黒さで、
- 🎨 光の反射率は わずか0.5%未満
- 🌑 人の目には“穴”や“影”のように見える
- 🔬 科学的にも「最も暗い色」として注目されている
この特殊な色は、人工的な素材(例:Vantablackなど)でも作られていますが、自然界の生き物が持っている例はごくわずかです。

🐝 ウルトラブラックを持つ昆虫が新たに発見!
ブラジルに生息する「アリバチ(Velvet Ant)」の一種である **Traumatomutilla bifurca(トラウマトムティラ・ビフルカ)**のメスが、ウルトラブラックを持っていることが判明しました!
🧬 発見したのは?
調査を行ったのは、ブラジル・トリアングロ・ミネイロ連邦大学の研究チーム。昆虫の色の構造を専門に研究するヴィニシウス・ロペス氏らが、詳細な分析を行いました。
▶️ 論文はこちら(BJNANO)
▶️ The New York Times の紹介記事

🐜 アリのようでアリじゃない!?アリバチとは?
「アリバチ」はハチの仲間ですが、メスは羽がなく地上で生活するため、見た目がアリに似ています。
- 🧵 英語名は「Velvet Ant(ビロードアリ)」
- 🖤 全身が長いビロードのような毛で覆われている
- 🐍 一部地域では「sorcerer ants(魔術師のアリ)」とも呼ばれる

🔬 どの部分が“超・黒色”なの?
研究によると、Traumatomutilla bifurcaのメスの黒色部分が、光を99.5%以上吸収するウルトラブラックであると確認されました。
💡 なぜそんなに黒く見えるの?
この驚異の黒さの秘密は構造にあります。
- 🧵 密集した毛の層が光を乱反射させず吸収
- 📚 その下には「本のページのような板状構造」が並ぶ
- 🧲 結果、滑らかな表面よりも光の吸収率が5%高い
さらに、**紫外線(UV)**まで吸収するという点も驚きです。これにより、人間には見えない波長も“見えなく”なるため、捕食者からのカモフラージュに役立つ可能性があります。

🧪 他の昆虫では見られない構造!
研究共著者のレイナー・ギレルモ・フェレイラ氏によると:
「私たちがこれまでに研究してきたトンボやミツバチ、甲虫の中にも、このようなウルトラブラック構造を持つものは見つかりませんでした。」
つまり、ハチ目の昆虫では初の発見となります。
🚹 オスはどうなの?
面白いことに、オスのTraumatomutilla bifurcaは、
- ♀と同じような模様を持っている
- しかし、黒色部分はウルトラブラックではない
つまり、メスだけがこの“究極の黒”を持っているという点も、生物学的に興味深いポイントです。
🌱 進化的な意味は?
研究チームは今後、メスだけがウルトラブラックを進化的に持つようになった**「環境的圧力」**について詳しく調査を進めるとのこと。
フェレイラ氏はこう語っています:
「自然界には多様な色彩パターンが存在しますが、その理由はまだ多くが未解明です。アリバチを調べるたびに、彼らは私たちに新たな発見をもたらしてくれます。」
🐜 アリバチは攻撃力もスゴい!
ちなみに、アリバチのメスは、
- 🛡️ 非常に硬い外骨格
- 🐝 毒針による強力な防御力
を持っているため、ほとんどの捕食者にとっては「手出し無用」の存在。そのため、ウルトラブラックが防御目的であるかどうかは現時点では不明です。
コメント