Intelが「AMDとNVIDIAには大量の脆弱性がある」と発表

Intelが「AMDとNVIDIAには大量の脆弱性がある」と発表 #WEB・プログラム・SEO
🛡️ Intelが「AMDとNVIDIAには大量の脆弱性がある」と発表——2024年セキュリティ報告書で他社を強く批判

🛡️ Intelが「AMDとNVIDIAには大量の脆弱性がある」と発表——2024年セキュリティ報告書で他社を強く批判

2025年2月、Intelは「2024 Intel Product Security Report(2024年 インテル製品セキュリティ報告書)」を発表し、同社のセキュリティへの取り組みと脆弱性対応の成果を詳細に報告しました。
この中でIntelは、競合であるAMDNVIDIAのセキュリティ上の脆弱性が同社を大きく上回っていることを強調し、他社を名指しで批判するという異例の姿勢を見せました。

本記事では、報告書の内容と各社のセキュリティ状況をわかりやすく解説するとともに、Intelの狙いについても考察していきます。

📖 Intelのセキュリティ報告書とは?

Intel Product Security Report」は、同社が毎年発行するセキュリティに関する年次報告書です。
この報告書には、Intelのセキュリティチームが発見・修正した脆弱性に関する詳細データが含まれています。
2024年版では、以下の内容が明らかになりました。

  • 年間374件の脆弱性(ファームウェア、ハードウェア、ソフトウェア)に対応
  • Intelが発見した脆弱性の94%を自社のチームで発見
  • サポート対象製品に関して、すべてのハードウェアのRoot of Trust脆弱性を緩和・修正済み

Intelはこの成果を強調しつつ、他社の脆弱性対応の不備を厳しく指摘しています。

加えて、AMDやNVIDIAなど他社が報告した脆弱性の数を自社と比較し、「ファームウェアの脆弱性では、AMDの報告数は58件、Intelは52件だった」「AMDは脆弱性の57%しか発見しておらず、残りの43%はセキュリティ研究者や一般人が発見したことになる。対照的にIntelは自社で94%を発見している」などと記して、他社をこき下ろしました。

特に、ハードウェアのRoot of Trustにおけるファームウェアの脆弱性について、「AMDの脆弱性報告数はIntelの4.4倍だった」と伝えています。

⚔️ 他社への厳しい批判:AMDとNVIDIAがターゲットに

Intelは報告書の中で、競合企業であるAMDNVIDIAに対して強い言葉で警鐘を鳴らしました。
主な指摘内容は次の通りです。

🟠 AMD:Root of Trustの脆弱性がIntelの4.4倍

  • ファームウェアの脆弱性数:
    • AMD:58件
    • Intel:52件
  • AMDの脆弱性発見率:57%(43%は外部の研究者による発見)
  • Intelの脆弱性発見率:94%(ほぼすべてを自社で発見)

Intelは、特にRoot of Trust(信頼の基盤)に関連する脆弱性について、AMDがIntelの4.4倍もの数を報告している点を強調しました。
また、AMDには**78件の脆弱性が「修正予定なし(No Fix Planned)」**として放置されていると指摘し、「これはAMDが根本的な解決策を持っていないことを示している」と厳しく批判しています。

Root of Trustとは?
ハードウェアやファームウェアの信頼性を確保するための仕組み。ここに脆弱性があると、デバイス全体が攻撃のリスクにさらされる可能性がある。

🟢 NVIDIA:深刻度の高い脆弱性がIntelの18倍

IntelはGPU分野においても競合のNVIDIAを厳しく批判しました。

  • 深刻度の高い脆弱性数:
    • NVIDIA:18件(うち13件は「高リスク」)
    • Intel:1件のみ

Intelによると、NVIDIAの脆弱性の中には「悪意のある攻撃者がPC上で任意のコードを実行できる可能性のあるものが含まれている」とのことです。
これは、サイバー攻撃に対するリスクを大きく高めるものであり、ユーザーのデータ流出やシステム破壊につながる恐れがあります。

任意コード実行(RCE:Remote Code Execution)とは?
攻撃者が外部からシステムを制御し、データの窃取やシステムの乗っ取りを可能にする脆弱性。セキュリティ上、最も危険視される脆弱性の1つ。

💡 Intelが他社を名指しで批判する理由とは?

Intelがここまで他社を名指しで批判するのは異例のことです。
なぜ、今回これほどまでに攻撃的な姿勢を見せたのでしょうか?

1️⃣ 競争力低下への危機感

Intelは近年、プロセッサ市場でAMDに押され気味です。
特に、AMDのRyzenシリーズはコストパフォーマンスの高さで支持を集め、デスクトップ市場におけるIntelのシェアを大きく奪いました。
さらに、第13世代および第14世代のIntel Coreプロセッサの不安定性問題が浮上し、ブランドイメージに傷がついたことも影響していると考えられます。

2️⃣ AI時代を見据えた競争の激化

AI技術の発展に伴い、CPUやGPUの役割がますます重要になっています。
NVIDIAはAI向けGPU市場で圧倒的な強さを誇り、AMDもAIプロセッサの分野で存在感を増しています。
このような中、Intelは「セキュリティの信頼性」を武器に差別化を図り、AIインフラ市場でのリーダーシップを取り戻そうとしている可能性があります。

3️⃣ 株主・ユーザーへのアピール

2024年第2四半期において、Intelは約2400億円超の赤字を計上し、大規模なリストラに踏み切りました。
このような状況で、Intelは「自社のセキュリティ体制が他社より優れている」ことを強調することで、株主やユーザーの信頼を取り戻そうとしていると考えられます。


🧠 セキュリティは性能以上に重要な時代へ

今回のIntelの発表は、単なる競合批判にとどまらず、**「セキュリティこそが次世代の半導体市場における最重要課題である」**というメッセージを含んでいます。

AI時代を迎え、膨大なデータがクラウドを介して処理される現在、ハードウェアの安全性はかつてないほど重要になっています。
性能だけでなく、**「安全に使えるか?」**という視点が、今後のプロセッサ選びの大きなポイントになるでしょう。

🔮 今後の展望:安全性と性能の両立が鍵に

Intelの攻撃的な報告は、AMDやNVIDIAがどのように対応するかによって、今後の市場動向を左右する可能性があります。
特に、AI分野におけるチップ開発競争は激しさを増しており、セキュリティ問題が各社の競争力を大きく左右するでしょう。

次世代チップを選ぶ際は、ベンチマークスコアだけでなく、**「どの企業がどれだけ真剣にセキュリティに取り組んでいるか」**を見極める必要があるかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました