2024年10月28日、ロシアの裁判所は、YouTubeがロシアの国営メディアへのアクセスを継続的にブロックしていることを理由に、Googleに対して**200溝ドル(円換算で約3澗円)**という巨額の罰金の支払いを命じました。
背景:国営メディアへのブロックと法的紛争
Googleは2020年から「制裁および貿易ルール違反」を理由に、ロシア国営メディアであるTsargrad TVやZvezdaなどのYouTubeアカウントをブロックしてきました。さらに、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、YouTubeはロシア国営メディアのチャンネルを世界中でブロックする措置を実施しました。
これに反発したTsargrad TVは、2020年8月にモスクワ仲裁裁判所へ提訴し、ブロック解除を要求。2021年の判決では、Googleに対して17の国営メディアのアクセス回復命令が下されました。また、命令が9カ月以内に履行されない場合、Googleに1日あたり1025ドル(約15万7000円)の罰金を課すとされていました。
巨額の罰金:200溝ドルとは
今回、ロシアの裁判所はGoogleが命令を遵守しなかったとして、前例のない規模である200溝ドルの罰金を科す判決を下しました。これは、世界全体のGDP(約100兆ドル)をはるかに超える金額であり、その桁外れの規模が各国メディアで大きな話題を呼んでいます。
- Gizmodoの記事: Russian Court Wants Google to Cough Up $20,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000
- The Registerの報道: Russian court fines Google $2 decillion
Googleの反応と今後の見通し
しかし、Googleがこの罰金を支払う可能性は非常に低いと指摘されています。実際に、ロシアのウクライナ侵攻後、Googleのロシア法人は2022年5月にロシア当局からの銀行口座差し押さえを受け、破産申請を余儀なくされました。
また、ロシア当局はGoogleの口座差し押さえを進めるべく、世界中で法的措置を試みていますが、多くの裁判で敗訴しているのが現状です。Googleの親会社であるAlphabetも、以下のようにコメントしています:
「制裁対象者との口座紛争に関する裁判が進行中ですが、当社への重大な影響は見込んでいません」
現時点で、Googleはロシアの裁判所からの今回の判決について公式コメントを発表していません。
結論
ロシアとGoogleの間で続くこの法的対立は、単なる企業と国家の争いを超え、政治的緊張と表現の自由の問題にまで発展しています。今後、国際的な裁判や法的措置の行方が注目される中、今回の判決が実際に履行されるかどうかも不透明です。
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