Disney+とHuluがApp Storeでのサブスクリプション登録を停止:新規加入は外部サイトからのみ可能に
ディズニー、AppleのApp Store経由のサブスクリプション加入を停止へ
2024年10月、ウォルト・ディズニー・カンパニーは、Disney+とHuluのiOSアプリにおけるApp Store経由のサブスクリプション登録機能を停止しました。これにより、新規ユーザーはiOSアプリ内で直接サブスクリプションに加入できなくなり、外部ウェブサイトでの会員登録が必要になります。この措置は、Appleへの手数料支払いを回避し、ディズニーの収益性向上を図る一環と考えられています。
App Store経由の手数料が課題に
Appleは、App Storeを通じたアプリ内課金に対して、企業から15%~30%の手数料を徴収しています。この課金システムは、多くの企業にとって収益の減少を引き起こしており、不満の声が上がっていました。NetflixやSpotifyなども、既にApp Store経由での支払いを停止しており、ディズニーもこの流れに加わりました。
新たなサブスクリプション加入方法:ウェブサイトからの登録手順
新規でDisney+やHuluを利用したいユーザーは、以下の手順で登録が可能です。
- Disney+またはHuluの公式ウェブサイトにアクセス。
- サブスクリプションプランを選択してアカウントを作成。
- 作成したアカウントでiOSアプリにサインインし、通常通りコンテンツを視聴。
既にApp Storeでサブスクリプションに加入しているユーザーは、特に変更をする必要がなく、引き続きApp Store経由の支払いでコンテンツを利用できます。
Managing an Apple-billed Hulu accounthttps://help.hulu.com/article/hulu-manage-apple
Appleの課金規制緩和による影響
Appleは2022年以降、リーダーアプリ(ニュース、電子書籍、音楽・映像コンテンツ)に対して、外部リンクを用いた会員登録が可能になる規約変更を行いました。2024年にはさらに緩和され、アプリ内に「外部ウェブサイトへのリンク」を埋め込むことが許可されました。このため、ディズニーや他の企業は、ユーザーを直接自社サイトに誘導しやすくなり、手数料を抑えられるようになりました。
ディズニーの価格引き上げとサブスクリプション停止との関係
ディズニーは2024年10月にDisney+やHuluの価格引き上げも実施しており、収益性向上に向けた動きが加速しています。特に、Appleへの手数料を回避することでストリーミング収益の最大化を目指す狙いがあるとされ、App Store経由の登録廃止もその一環と見られます。
業界のトレンド:NetflixとSpotifyの事例
ディズニーだけでなく、NetflixやSpotifyといった他の企業も同様の動きを見せています。例えば、NetflixはApp Store経由での新規・再加入登録を停止しており、一部の国では既存のサブスクリプションユーザーに対しても、App Storeから直接支払うのではなく外部決済へ切り替えるよう通知しています。これらの企業の動きは、ストリーミング業界全体での収益性改善のための戦略として注目されています。
まとめ:Appleとストリーミング業界の関係性が変化
今回のディズニーの動きは、Appleの課金ルールが与える影響や、各企業が収益性を改善するための戦略が浮き彫りになった事例といえます。Disney+やHuluが外部ウェブサイト経由での登録にシフトすることで、今後さらに柔軟な価格設定やサービスの拡充が期待されます。ユーザーにとっても、多様な選択肢が提供されることにより、より利用しやすいエコシステムが形成される可能性が高まります。
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