🧠 OpenAIの人気チャットAI「ChatGPT」には、他人と会話を簡単に共有できる「Shared Links」機能があります。しかし、このShared Linksに加わった新たなテスト機能が、ユーザーのプライバシーを脅かす可能性があるとして短期間で削除されたことが明らかになりました。

Shared Linksとは?公開チャットをURLで共有可能な便利機能
「Shared Links」は、ChatGPTでの会話をURL化して他人と共有できる機能です。チャット画面の右上にある「共有」ボタンをクリックするだけで、該当の会話をプレビューし、リンクとして発行できます。このリンクを使えば、家族や同僚にAIとの会話を簡単に見せることができ、特にコードやプロンプトの共有時には便利な機能です。
📎 しかし、この機能に一時的に追加されたオプション「検索エンジンにインデックスさせる」によって、事態は一変します。

また、会話の末尾にも「共有する」というオプションがあります。

「共有する」をクリックすると、公開されるチャット内容のプレビューが表示されました。「リンクをコピーする」をクリック。すると、こちらのリンクのように、他の人がURLにアクセスして会話の内容を見ることができます。

「検索可能なAI会話」を目指した実験機能が物議
OpenAIは、ユーザーが明示的にオプトインした場合のみ、ChatGPTとの会話をGoogleなどの検索エンジンにインデックス可能とする機能を試験的に導入していました。
目的は「有益な会話をより多くの人が見つけられるようにすること」。例えば、メンタルヘルスやキャリア相談など、自分だけではなく他人にも役立つ可能性のあるやり取りを、検索経由で届けるという狙いがあったようです。
🔒 公開される会話は匿名化され、個人情報が特定されないよう配慮されていたとはいえ、想定外のリスクが存在していました。
実際に「デリケートな会話」がGoogle検索でヒット
2025年8月1日、テック系ライターのルイザ・ジャロフスキー氏がX(旧Twitter)にて、「検索エンジンにChatGPTとの個人的な会話が掲載されている」と警告投稿を行いました。
🔍 Googleで site:chatgpt.com/share
のような検索を行えば、他人の会話にアクセスできる状態であることが確認され、ユーザーの間で大きな不安が広がりました。
ジャロフスキー氏は「匿名化されていても、こうした内容が自分の知らぬうちに検索可能になること自体が問題」と述べ、機能の見直しを促しました。
OpenAIが緊急対応、機能を即時削除
この騒動を受けて、OpenAIの最高セキュリティ責任者デーン・スタッキー氏はすぐに対応に乗り出し、問題のオプションを削除したことを発表しました。
🛠 「あくまで実験的な機能でしたが、意図せず共有されるリスクが大きすぎると判断しました」とのこと。すでにインデックスされている共有リンクについても、順次検索結果から削除する処理が行われています。
OpenAIは「Shared Links機能自体は継続するが、検索エンジン連携に関する実験は終了した」とし、今後もユーザーのプライバシーを最優先に機能改善を進めていく方針を示しています。
ユーザー自身の「共有判断」が今後さらに重要に
この一件が示したのは、AIと会話する中で生まれる情報がいかにセンシティブであるかという点です。
💬 AIとの対話内容には、個人的な悩み、秘密のアイデア、職場の課題などが含まれることが多く、たとえ匿名化されていても、意図しない公開はユーザーに精神的なストレスを与えかねません。
今後、ChatGPTを含む生成AIとのやり取りが増える中で、共有機能を使う際の注意喚起と、ユーザー教育の重要性がますます高まっていくでしょう。