ソフトバンクグループの創業者・孫正義CEOが、Intelのリップ・ブー・タンCEOと 半導体受託製造（ファウンドリ）事業の買収について協議していた と報じられました。この会談は、ソフトバンクがIntelの株式に 20億ドル（約3000億円）を投資 すると発表する数週間前に行われたものです。
ソフトバンクとIntelの戦略的な動き 🤝
2025年8月19日、ソフトバンクとIntelは正式に、ソフトバンクがIntelの普通株に20億ドルを投資する契約を締結したと発表しました。この投資により、ソフトバンクはIntelの 第5位の株主（発行済み株式の約2％） となります。
報道によると、孫CEOは2025年3月にタン氏がCEOに就任して以降、複数回にわたり直接会談を行ってきたとのこと。話し合いは 事業買収・合弁事業・少数株式投資 など幅広い選択肢を含んでいたとされます。
関係者は「今回の20億ドル投資が、将来的にファウンドリ事業をめぐる さらに大きな取引への布石 となる可能性を排除できない」と語っています。
Intelが苦戦する「ファウンドリ事業」 🏭
Intelは2021年に外部顧客向けにファウンドリ事業を開放しましたが、世界最大手TSMCに大きく遅れをとっています。
- TSMC：圧倒的な製造能力でAppleやNVIDIAなど主要顧客を抱える
- Intel：新規顧客の獲得に苦戦し、収益拡大の道筋が見えにくい状況
こうした中、ソフトバンクによる出資や将来的な買収の可能性は、Intelにとって大きな資金的・戦略的な後ろ盾となり得ます。
アメリカ政府の関与 🇺🇸
さらに注目すべきは、アメリカ政府もIntelへの出資を検討している点です。
- ハワード・ルトニック商務長官 は、CHIPS法の資金提供の見返りとして「政府がIntel株式を取得すべき」と提案。
- この案では、政府は議決権や経営権を持たずに関与する形が想定されています。
もし米政府が出資すれば、ソフトバンクの投資と合わせて Intel救済とアメリカ国内の先端半導体製造強化 という二重の意味を持つことになります。
孫正義の狙いは「AIインフラ」構築 🌐
孫CEOはこれまでにAI関連企業や半導体設計企業（Armなど）への投資を積極的に進めてきました。今回のIntel投資もその延長線上にあり、
- AI用半導体製造能力の確保
- ロボティクス・エネルギー・通信までを含めた包括的インフラ整備
といった 「AI時代の総合インフラ構想」 の一環とみられています。
今後の展望 🔮
- ソフトバンクの20億ドル投資は「序章」にすぎず、将来的にファウンドリ事業買収や合弁の可能性が残されている
- アメリカ政府も出資を検討しており、TSMCに対抗するための「国家プロジェクト化」も視野に
- Intelの苦境を背景に、孫正義の「次の一手」が半導体業界全体を揺るがす可能性がある
まとめ ✍️
- 孫正義CEOは、Intel CEOと ファウンドリ事業買収 について協議していた
- 数週間後に20億ドル投資を発表し、Intel第5位の株主に
- アメリカ政府もIntel出資を検討し、国内半導体生産力強化を狙う
- 孫CEOの狙いは AIインフラ構築の布石 と考えられる
👉 今回の動きは、単なる投資にとどまらず 「半導体産業のパワーバランス」を左右する可能性 を秘めています。孫正義の戦略的ビジョンとアメリカ政府の思惑が交錯する中、Intelの未来は世界的な注目の的となりそうです。
