AI検索エンジンを開発する Perplexity が、Google Chromeを 345億ドル（約5兆円） で買収すると申し出たと報じられました。もし実現すれば、世界のインターネット利用の在り方を大きく変える可能性があります。
🔎 背景：独占禁止法訴訟とGoogle Chrome売却の可能性
アメリカ司法省は、Googleが検索市場を不当に独占していると提訴しており、訴訟の中で Chrome売却 が是正措置として検討されています。
Googleは「これは裁判所の判断を超えた過剰な要求だ」と反論していますが、規制当局が動く中で、Perplexityは買収の意思を示すことで「前向きな解決策」を提示した形です。
💰 Perplexityの買収提案の内容
- 買収額：345億ドル（約5兆円）
- 投資計画：今後2年間で30億ドル（約4500億円）をChromeとオープンソースのChromiumに投資
- 雇用維持：Chromeチームの大部分を継続雇用
- 検索エンジン設定：Googleをデフォルト検索として維持し、ユーザーが自由に変更できるようにする
Perplexityは「ユーザーの選択肢を尊重しつつ、より透明で公平なブラウザ運営を行う」と強調しています。
📊 提示額と評価額の差
興味深いのは、今回の買収提案が Perplexity自身の推定評価額（180億ドル）を大幅に上回っている 点です。
同社の最高事業責任者であるドミトリー・シェベレンコ氏は「複数の大規模投資ファンドが全額融資に同意している」と語り、資金調達の目途が立っていることを示しました。
一方で、アナリストのコリン・セバスチャン氏は「Chromeの価値は1000億ドル（約15兆円）に近い」と述べ、提示額は過小評価である可能性を指摘しています。
🏛️ Googleの反応と主張
Googleは今回の申し出についてコメントを拒否しましたが、これまでに以下のような主張を繰り返しています。
- Chrome売却はビジネスに損害を与える
- 新技術への投資が妨げられる
- ユーザーデータの安全性が低下するリスクがある
- 代替策として「Apple・Mozilla・Androidとの独占契約の修正」など限定的な措置で十分
つまりGoogleは「Chromeの売却は不必要であり、むしろ危険」との立場を崩していません。
🌍 買収成立のインパクト
もしPerplexityがChromeを手に入れれば、世界のブラウザシェアの約6割を握る巨大プラットフォームが AI検索主導の企業に移る ことになります。
これは次のような影響を及ぼす可能性があります：
- AI検索とブラウザの統合による新しい体験
- Googleの検索エンジン覇権の揺らぎ
- 広告市場・ウェブ標準の変化
- 他のブラウザ（Safari・Firefox・Edge）への影響
📌 まとめ
Perplexityの買収提案は、現時点では単なる申し出に過ぎません。しかし、
- Googleへの独禁法圧力
- 投資ファンドの後押し
- AI企業によるインターネット支配の野望
といった背景を考えると、検索とブラウザの未来を大きく変えるきっかけになるかもしれません。
買収が成立すれば「検索の常識」が一変する可能性すらあるだけに、今後の動きから目が離せません。
