Metaは「個人利用でありAIトレーニングではない」と全面反論
2025年7月、Meta(旧Facebook)が約2396本のアダルト動画を無断ダウンロードし、AIモデルのトレーニングに利用したとして、アダルト映画制作会社 Strike 3 Holdings と Counterlife Media に提訴されました。
しかしMetaはこれに対し、
「ダウンロードは社員や利用者による“個人利用”であり、AIトレーニング目的ではない」
と強く反論しています。
訴訟はアメリカ・カリフォルニア州北部連邦裁判所で進行中です。

⚖️アダルト企業側の主張:
2396本の動画をBitTorrent経由で不正取得、530億円の損害賠償を請求
Strike 3 Holdingsなどによると、Metaは2018年以降、
BitTorrentプロトコルを通じて2396本の著作権コンテンツをダウンロードしたとされています。
企業側は次の疑惑を主張:
- Metaが成人向けAI動画生成モデルの学習に盗用コンテンツを使った
- 最大**3億5900万ドル(約530億円)**の損害賠償を請求
- Metaが“2500以上の秘匿IPアドレス”で不正行為を隠蔽した可能性
- AI用データセットを構築するため、組織的に海賊版を集めていた疑い
Strike 3 Holdingsは“著作権トロール”としても知られ、
2022年には2788件もの大量訴訟を提起。
IPアドレスをもとに個人を特定し和解金を請求する手法が問題視されています。

🛡Metaの反論:
「IPアドレスだけでは証拠不十分」「AI研究開始時期とも矛盾」
Metaはこの訴えに対し、強い反論を展開しています。
🧩1. IPアドレスだけでは「誰が」「何の目的で」ダウンロードしたか特定できない
Metaは次のように主張:
- IPアドレス情報だけではダウンロードした人物の特定は不可能
- したがって、Metaによる著作権侵害を立証する証拠としては不十分
🕒2. ダウンロード時期とAI研究の開始時期が一致しない
Strike 3 Holdingsが主張する不正取得は2018年から。
しかしMetaが本格的に動画生成AIを研究し始めたのは2022年以降。
「AI学習用に収集したという主張は“時系列的に成立しない”」
とMetaは述べています。

📉3. ダウンロード量はAI学習用としては“少なすぎる”
Strike 3が指摘した平均ダウンロード数:
- 年間 約22件/IPアドレスあたり
Meta曰く、これは明らかに個人利用レベルの少量であり、
AIトレーニングに使える大量データセットとは程遠いと反論しています。
🤷♂️4. 金銭的利益を得ていないため、二次的責任はない
Metaのネットワークからダウンロードが行われた可能性自体は完全否定していませんが、
「Metaが利益を得ていないため二次的責任は負わない」と過去判例を引用。
🕵️5. “2500個の秘匿IPアドレス”疑惑にも矛盾を指摘
Metaは企業側の主張に対し、こう反論:
「もし我々が秘匿IPで隠蔽していたなら、なぜ157件のダウンロードが“普通のMeta企業IP”で記録されるのか?」
つまり、
「隠蔽しているはずなのに追跡可能なIPを使っているのは矛盾している」
という主張です。

⚔️訴訟の今後:裁判所が継続判断へ
Strike 3 Holdingsは2週間以内に反論を提出。
その後Metaが追加回答を行い、裁判所が訴訟を続行するか却下するかを判断する見込みです。
AI開発企業 vs 著作権トロール企業
という“現代的対立”として、今後の動きが注目されています。
📝まとめ:AI開発と著作権の衝突は今後ますます激化へ
今回の訴訟では次のポイントが浮き彫りになりました。
- Metaのネットワークからアダルト動画がダウンロードされた痕跡はある
- しかし、AI学習に使われたという決定的証拠はまだ存在しない
- 大量訴訟を行う著作権トロール企業の戦略性
- AI時代における著作権使用の透明性が争点に
生成AIの学習データを巡る法的問題は、今後さらに増えることが予想されます。

