『HELLDIVERS 2』が154GB→23GBを実現したSSD時代のAAA最適化とは?
近年のAAA(大作)ゲームは、インストール容量が100GBを超えるのが当たり前になりつつあります。タイトルによっては200GB以上に達し、ストレージ不足がプレイヤーの悩みになるケースも珍しくありません。
そんな中、Arrowhead Game Studiosは『HELLDIVERS 2』のPC版において、**インストール容量を約154GBから約23GBへ削減(約85%減)**するという大胆な最適化を実施しました。
しかもこれは、単なる「圧縮」ではなく、HDD時代の前提を捨て、SSD時代に最適化し直すという設計思想の転換によるものです。
この記事では、この事例を通して
👉 なぜAAAゲームは肥大化するのか
👉 なぜ今“SSD前提設計”が重要なのか
を深掘りします。🔍

🧱 なぜPC版だけ150GB超まで膨れ上がっていたのか?
開発側によると、2025年時点でのPC版『HELLDIVERS 2』の容量は150GB超。
これはコンソール版のおよそ3倍にあたります。
しかし、ゲーム内容そのものを比べると
🎮 コンソール版の容量こそが妥当
というのが開発側の認識でした。
この差を生んでいた最大の要因が、**PC版に残り続けていた「HDD向け最適化」**です。

🌀 HDD最適化の正体:同じデータを何度も置く設計
HDDは回転ディスクに読み取りヘッドを動かしてアクセスするため、
📉 ランダムアクセスが遅い
という特性があります。
そこで従来のゲーム開発では、
- 🌲 よく使うテクスチャ
- 🔊 効果音・環境音
- 💥 頻出エフェクト
といったデータを複数箇所にコピー配置し、
「なるべく近い位置から読み込めるようにする」工夫が行われてきました。
しかしSSDでは状況が一変します。
✅ ランダムアクセスが高速
✅ 物理的なシーク時間がほぼゼロ
つまり、
👉 「コピーを大量に置く意味」がほぼ消滅
したのです。
それにもかかわらず、HDD時代の設計が残ったままだと、
❌ 容量だけが無駄に増える
という問題が起こります。

✂️ 154GB→23GBの核心は「圧縮」ではなく重複排除
Arrowhead Game Studiosは、PC移植の専門チームであるNixxesの協力を得て、
ゲームデータを根本から見直しました。
行われたのは、
- 📦 データ構造の再設計
- 🔁 重複データ(デ・デュープ)の徹底排除
- 💾 SSD前提のI/O設計への切り替え
その結果、
- インストール容量:約154GB → 約23GB
- 削減量:約131GB
- 削減率:約85%
という、AAAタイトルとしては異例のスリム化に成功しました。
この最適化版は、アーリーアダプター向けの公開テクニカルベータとして配信準備が整っているとされています。
⏱️ パフォーマンスへの影響は?HDDユーザーは大丈夫?
容量削減と聞くと、
「ロードが遅くなるのでは?」
と不安になる人も多いでしょう。
しかし、検証結果では以下のような報告がされています。
- 🧑💻 影響が出る可能性があるのは HDD利用者の一部
- ⏳ それでもロード増加は 最悪でも数秒程度
- 🧠 実際のロード時間を支配していたのは
アセット読み込みよりもレベル生成処理
つまり今回の変更は、
🎯 “体感性能に直結しない無駄”を削っただけ
という側面が強いのです。
🚀 背景:SSD時代でゲーム設計はどう変わった?
① SSDは「推奨」から「実質必須」へ
近年のAAAゲームでは、
- 高解像度テクスチャ
- 大量のオブジェクト
- 広大なマップ
が当たり前になり、HDDでは読み込みが追いつきません。
その結果、
📌 最低動作環境にSSDを要求するタイトル
📌 公式には書かれていなくてもSSD前提の設計
が急増しています。
② DirectStorageが示す“次の常識”
さらに、PCゲームでは
- 🚄 高速ストレージI/O
- 🎮 GPUによる直接解凍(GPU Decompression)
を活用するDirectStorageのような技術も登場しています。
これは、
👉 「ストレージ性能を前提にゲームを作る」
という流れを公式に後押しする存在です。
『HELLDIVERS 2』の判断は、この潮流と完全に一致しています。
🧩 AAAゲームが肥大化する3つの典型パターン
今回の事例は特殊ではありません。
AAAタイトルが巨大化する主な原因は以下の通りです。
- 🎨 4K・高解像度テクスチャの常態化
- 🔊 多言語音声・ムービーの同梱
- 🧱 長期運用によるパッチ・データ蓄積
- 🔁 旧世代向け最適化による重複データ
『HELLDIVERS 2』は、
この中でも特に 「重複データ問題」 に正面からメスを入れた好例と言えます。
✅ まとめ:AAAゲームは「SSD前提」で再設計される時代へ
今回の『HELLDIVERS 2』のスリム化が示したのは、
- 💡 HDD前提の最適化は、もはや足かせになる
- 💾 SSDを前提にすれば、容量も設計も洗練できる
- 🎮 プレイ体験を損なわずに軽量化は可能
という事実です。
今後のAAAゲームでは、
👉 「HDDに配慮するか」ではなく
👉 「SSDをどう活かすか」
が設計の中心になっていくでしょう。
📚 参考・出典
- Arrowhead Game Studios 技術ブログ(HELLDIVERS 2 Tech Blog)
- Steam公式ニュース(HELLDIVERS 2)
- 海外テックメディアによる開発者インタビュー・分析記事
- PCゲーム最適化・ストレージ技術に関する公開情報

