「痩せたい」「健康のために体重を落としたい」と思う人は多いですが、実際にダイエットを始める前に知っておくべき重要なポイントがあります。
リンカーン大学の生理学上級講師 レイチェル・ウッズ氏は、ダイエットに関する誤解を解きほぐし、正しく健康的に取り組むための「5つのこと」を解説しました。
1️⃣ ダイエットは「体の仕組み」に逆らっている
人間の体は、体重が減ると「代謝を落とす」「食欲を強めるホルモン（グレリン）を分泌する」といった 代謝適応 を起こします。
これは狩猟採集時代に飢餓を生き延びるための仕組みでしたが、現代では逆に減量を難しくする壁となります。
👉 結果として、多くの人がリバウンドを経験し、長期的に標準体重を維持できる人はごくわずかです。
2️⃣ 成功するかどうかは「意思の力」だけではない
「痩せられる人」と「リバウンドする人」の違いは、根性や努力だけではありません。
- 遺伝子の影響：食欲の強さ、満腹感の感じやすさ、代謝速度など
- 環境要因：健康的な食事を準備できる時間やお金、サポート体制の有無
- 社会的背景：睡眠不足やストレス環境
こうした複雑な要因を無視して「太っているのは自己責任」と決めつけると、偏見や差別を助長する危険があります。
3️⃣ 「カロリーだけがすべて」ではない
理論上は「摂取カロリー < 消費カロリー」で痩せますが、実際にはもっと複雑です。
- 食品ラベルのカロリーはあくまで推定値
- 同じカロリーでも、ビスケット vs ゆで卵では空腹感や消化スピードがまったく違う
- 極端なダイエット（置き換えシェイク、食品群の完全カット）は長続きしない
🌱 バランスの取れた方法が大切
自然食品を増やす、外食を減らす、アルコールを控えるなど、小さな習慣改善が最も効果的です。
4️⃣ 運動は健康に◎ でも「体重減少」とは別問題
「運動すれば痩せる」という単純な話ではありません。
人間の体は 省エネ設計 なので、激しい運動をすると…
- その後に無意識で活動量が減る
- 食欲が増して食べ過ぎる
結果的に、消費カロリーが相殺されることがあります。
ただし運動には、
❤️ 心臓や血管の健康改善
🧠 メンタルヘルスの向上
💪 筋肉量の維持
🦴 骨の強化
といった数々のメリットがあり、生活の質を大幅に向上させる効果があります。
5️⃣ 健康改善には「減量が必須」ではない
体重を減らさなくても、
- 食生活の改善
- 運動習慣
- 睡眠やストレス管理
によって 血圧・血糖値・コレステロール値 が改善することがわかっています。
📌 ウッズ氏のメッセージ
「体重は健康というパズルの1ピースにすぎません。数字を追うよりも、日々の行動に焦点を当てることが大切です」
✅ まとめ
- ダイエットは「生物学的に難しい挑戦」であることを理解する
- 成否は意志の強さだけでなく、遺伝・環境要因も影響する
- カロリーよりも「食品の質」と「習慣改善」が大切
- 運動は体重減少に直結しなくても、健康面では最強のツール
- 健康改善は「減量」だけでなく「行動改善」で十分可能
✨ ダイエットを始める前に、この5つを理解して取り組めば、無理なく続けられ、より健康的で長期的な成果が得られます。
