ランニングや筋トレをした後、数時間~数日後にやってくる筋肉痛(DOMS:遅発性筋肉痛)。
「筋肉痛が残っているのに運動して大丈夫なの?」と不安に思ったことはありませんか?
南オーストラリア大学の運動科学講師、ハンター・ベネット氏が、この疑問に科学的な視点から解説しました。

筋肉痛はなぜ起きるのか?🧬
運動をすると筋肉に**微細な損傷(小さな裂傷)**が発生します。
体は修復のために水分や栄養を送り込み、炎症が起きることで痛みを感じるのです。
- これは体の正常な回復プロセス
- 結果的に筋力や筋肉量の増加につながる
つまり、筋肉痛は「成長のサイン」でもあります。ただし、痛み=効果があったとは限らず、筋肉痛がなくても体力や筋力は向上します。

筋肉痛と運動効果の関係🏋️♂️
- 運動初心者や久しぶりの運動、新しい種目に挑戦したときに出やすい
- 同じ運動を継続していると筋肉痛は軽減される
- 筋肉痛がないからといって「効果がなかった」とは言えない
例:
✅ ランナーが毎回のランニングで筋肉痛を感じることは少ないが、体力は向上する
✅ 常連のジム利用者は重いウェイトでも軽い筋肉痛しか出ないが、筋力はしっかり成長している

筋肉痛があるときに運動しても大丈夫?🤔
ベネット氏によれば、答えは 「Yes, but…」
- 健康面の害はない → 筋肉痛があっても運動してもOK
- ただし…
- 筋力やパフォーマンスは低下する
- バランス感覚が乱れて転倒や捻挫のリスクが増える
- スキルパフォーマンス(例:バスケのシュート精度)が落ちる
👉 つまり「安全性」よりも「パフォーマンス面」で注意が必要です。

休養日を入れるべき?🛌
よく「運動の合間に休養日を入れた方がいい」と言われますが、最新研究では長期的な成長には大きな差がないと報告されています。
📊 研究例
- 2グループに同じトレーニングを実施
- グループA:3日連続で実施
- グループB:隔日で実施
- 7週間後、筋力・筋肉量ともに同等の向上
同様に、サイクリストを対象にした研究でも、連続・非連続どちらでも有酸素能力の向上は同じという結果が出ています。
筋肉痛のときに避けるべき運動⚠️
- ジャンプや着地を伴う激しい運動
- バランスを強く必要とする競技
これらは怪我のリスクが高まるため、控えるのがベターです。
一方で、軽いストレッチや低強度の運動は血流を促進し、回復を助ける効果が期待できます。
筋肉痛の回復を早める方法🛀
効果は限定的ですが、科学的にある程度支持されている方法は以下です。
- マッサージ💆♀️
- 冷水浴(水風呂)🧊
ただし、激しい痛み・7日以上続く痛み・あざを伴う痛みはケガの可能性があるため、医師に相談する必要があります。
まとめ📌
- 筋肉痛は成長のサインだが、必ずしも効果の証ではない
- 筋肉痛が残っていても運動は可能。ただしパフォーマンスは落ちる
- 怪我のリスクを避けるため、ジャンプやバランス運動は控えめに
- マッサージや冷水浴で回復をサポートできる
- 痛みが長引く・強い場合は医師へ相談
👉 結論:筋肉痛中に運動しても害はないが、賢く調整することが大切!
