📰 ガザで起きた「報道テント」への直撃
2025年8月10日、ガザ市のアルシファ病院外に設営されていたアルジャジーラの報道テントがイスラエルのミサイル攻撃を受け、現場にいた5人の記者・カメラマンが死亡しました。
このテントは土嚢や武装警備のない、国際法で保護される「PRESS」表示のある場所でした。
イスラエル軍は「ハマス指導者を狙った」と説明しましたが、第三者による裏付けはなく、アルジャジーラはこれを計画的な暗殺と断定しています。

📊 ガザが「史上最も危険な戦場」になった理由
ジャーナリスト保護委員会(CPJ)の統計によると、2023年10月7日以降のガザ紛争で少なくとも192人の記者が死亡。
- パレスチナ人記者:184人
- イスラエル人記者:2人
- レバノン人記者:6人
これは過去の紛争と比較しても最も高い死亡率で、ガザの全記者人口の1割以上が命を落とした計算になります。
⏳ 歴史が繰り返す「報道弾圧」のパターン
記者の意図的殺害は過去にも世界各地で行われてきました。
- 1975年:インドネシア軍による東ティモール「バリボ五人組」殺害
- 2009年:フィリピン・マギンダナオ虐殺(記者32人を含む58人死亡)
- 2012年:シリア・ホムスで米記者マリー・コルヴィンが砲撃死
これらは共通して**「独立した証人を排除し、加害者の物語だけを残す」**という狙いがありました。
🔍 報道を封じることの狙い
- 戦争犯罪の証拠となる映像・証言を消す
- 国際世論の監視を弱める
- 現場の住民に「誰も見ていない」という諦めを植え付ける
国連特別報告者アイリーン・カーン氏は、記者への攻撃は民主主義を損なう世界的な弾圧パターンの一部だと警鐘を鳴らしています。
🌍 ガザから世界へ「輸出」される弾圧モデル
このような報道弾圧の手法は、ガザだけでなくアメリカを含む他国にも波及しています。
- ICE(移民関税執行局)による収容施設の取材妨害
- 抗議デモ取材中の記者逮捕や暴行(例:ジョージ・フロイド事件後のデモ)
- 先住民の権利運動取材への警察介入
権力者が恐れるのは「現場の独立した証言」であり、その排除は国内外を問わず行われています。
⚠ あなたの街でも起こり得ること
もし国内で同様のモデルが適用されれば…
- 抗議活動や災害現場の映像が当局発表のみになる
- 収容施設や強制送還の実態が記録されなくなる
- 歴史的事件が「なかったこと」に書き換えられる
これは想像ではなく、すでに世界各地で実行されてきた事実です。
✊ 私たちにできること
- CPJ、RSFなど独立報道を支援する団体への寄付・情報拡散
- 政府に対し「記者保護法」や国際的保護条約の遵守を求める
- 危険地から伝える報道を積極的に共有し、記録を残す
記者を守ることは、真実を守ることです。
それは正義を可能にする唯一の基盤であり、失われれば公式の物語だけが残ります。
まとめ
ガザでの記者殺害は、単なる局地的な悲劇ではなく、世界的に広がる報道弾圧の危険な兆候です。この流れを止めるためには、私たち一人ひとりが証言と報道の価値を守る行動を取らなければなりません。
「ガザで起きたことは、やがて私たちの街で起きるかもしれない」──その警告を真剣に受け止めるときです。