CDNを使うとGoogleの検索インデックスへの登録にどんな影響があるのか?

CDNを使うとGoogleの検索インデックスへの登録にどんな影響があるのか? #ニュース・社会・コラム
【CDNはGoogleの検索インデックスにどう影響するのか?】

【CDNはGoogleの検索インデックスにどう影響するのか?】

CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、ユーザーに近い場所のエッジサーバーにコンテンツをキャッシュし、高速な配信を実現する技術です。これによりウェブサイトの表示が高速化し、サーバーの負荷軽減やセキュリティ向上といったメリットがあります。では、CDNを導入することでGoogleの検索インデックスやクロールにどのような影響があるのでしょうか?Googleの公式発表を基に解説します。

CDNを使用するメリット

Googleは、CDNを利用することの利点を以下の3つにまとめています。

1. キャッシュによる高速応答と負荷軽減

CDNはエッジサーバーに画像、動画、HTML、CSS、JavaScriptといったリソースをキャッシュします。これにより、ユーザーは最寄りのエッジサーバーからコンテンツを取得でき、通信時間が短縮されます。

また、キャッシュが利用されることでオリジンサーバー(元のサーバー)へのアクセスが減少し、負荷が軽減されるため、サイトの安定性が向上します。

2. 大量アクセスからの保護

CDNは全てのリクエストを経由するため、DDoS攻撃などの大量アクセスに対してフィルタリングを行い、悪意のあるトラフィックをブロックする機能を持っています。これにより、サイトが攻撃を受けてもダウンしにくくなります。

3. サイトの信頼性向上

一部のCDNサービスでは、オリジンサーバーがダウンしてもエッジサーバーにキャッシュされたデータを提供できるため、サイトが完全に停止するリスクを軽減できます。これは、特にトラフィックの多いサイトにとって重要な機能です。

CDNがGoogleのクロールに与える影響

Googleは通常、サーバーへの負荷を考慮し、一度にクロールするページの数を制限しています。しかし、CDNを利用しているサイトではクロールの頻度が向上すると発表しています。

これは、Googleのクローラー(Googlebot)がサイトのIPアドレスをチェックし、CDN経由で配信されていることを認識すると、クロール頻度を上げる傾向にあるためです。

また、「cdn.example.com」のようなサブドメインを使用して画像などの静的リソースを配信すると、通常よりも多くのコンテンツをクロールさせることが可能です。これは、Googleがクロールの制限をドメインごとに設定しているためです。

ただし、CDNを一部のリソースのみで利用する場合でも問題なく対応できるとGoogleは述べています。しかし、クロールを最適化するためには、複数のドメインを利用する場合でもすべてをCDN経由で配信することが推奨されています。

CDNによるクロールの問題点と対策

CDNを利用することで、クローラーのアクセスが誤ってブロックされるケースがあります。Googleは、このようなブロックを「ハードブロック」と「ソフトブロック」に分類しています。

ハードブロック(クローラーに対してエラーを返す)

Googleのクローラーにエラーを返すと、サイトのインデックスやクロールに悪影響を及ぼす可能性があります。特に、以下のようなケースが問題視されています。

1. 503または429ステータスコードを返す

  • 503(Service Unavailable)429(Too Many Requests) を返すと、一時的にクロールが停止しますが、Googleはこれを一時的なエラーと認識するため、すぐに検索インデックスから削除されることはありません。
  • これは、CDNが過負荷時にリクエストを制限する際によく見られる現象です。

2. タイムアウトの発生

  • GoogleのクローラーがCDNへの接続でタイムアウトすると、当該ページが検索インデックスから削除されます。
  • また、サイトの負荷状況をGoogleが「重い」と判断し、クロール頻度が低下する可能性があります。

3. 200ステータスコードでエラーページを返す

  • エラーページを表示しているにもかかわらず、正常な「200 OK」ステータスを返してしまうと問題が発生します。
  • Googleはエラーページの内容を分析し、それを「通常のコンテンツ」と誤認すると、他のページと重複した内容と見なされる可能性があります。
  • 重複コンテンツの再クロールには時間がかかるため、サイトの復旧が遅れることがあります。

ソフトブロック(CAPTCHAなどの影響)

CDNによっては、アクセス前にCAPTCHA認証などを求めることがあります。これをGoogleのクローラーが突破できない場合、クロールができなくなります。

このような場合、503ステータスコードを返すことで「一時的な問題」として扱われ、検索インデックスからの削除を防ぐことが可能です。


CDN導入時に推奨される対応策

CDNを利用する際には、以下の点に注意することでクロールトラブルを防ぐことができます。

  1. Googleのクローラーが正しくサイトをクロールできているか確認する
    • Google Search Consoleの「URL検査ツール」を使用して、Googlebotが適切にページを表示できるか確認しましょう。
    • クローラーが「空のページ」「エラーページ」「ボットチャレンジページ」を表示している場合、CDNの設定を見直す必要があります。
  2. エラー発生時のレスポンスコードを適切に設定する
    • サーバーの負荷が高い場合は503や429を使用し、一時的なエラーであることをGoogleに伝える。
    • エラーページに200ステータスを返さないように設定する。
  3. クロールの最適化
    • 画像や静的リソースを「cdn.example.com」のような専用ドメインで配信すると、より多くのコンテンツをクロールさせることが可能。
    • 可能であれば、サイト全体をCDN経由で配信することでクロール速度を最適化する。

まとめ

CDNは、サイトの高速化・負荷軽減・セキュリティ向上といったメリットをもたらすだけでなく、Googleのクローリングにも良い影響を与える可能性があります。しかし、適切な設定を行わなければ、Googleのクローラーがブロックされたり、インデックスが削除されるリスクもあります。

特に、503・429の適切な利用、エラーページのレスポンスコードの管理、クロールの最適化が重要です。CDNを活用して、より効果的なSEO対策を行いましょう。

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