👂 ミソフォニアとは?
「ミソフォニア(音嫌悪症)」は、特定の音に対して強い嫌悪感や怒りを感じてしまう症状です。たとえば、
- 他人が食事中に立てる 咀嚼音(クチャクチャ音)
- 静かな部屋で聞こえる 時計の針の音
- キーボードを叩く タイピング音
これらに対して「耐えられない」と感じることがあるなら、あなたもミソフォニアの傾向があるかもしれません。

🧾 ミソフォニアが注目され始めた背景
ミソフォニアという言葉が広まり始めたのは、2010年代以降のことです。
- 2011年9月:ニューヨーク・タイムズにてミソフォニアに関する記事が掲載
- 2012年5月:アメリカの人気ニュース番組「20/20」で特集
- Googleトレンドでは2011年から検索数が増加傾向
日本でも2017年頃から検索回数が上昇し続けており、関心が高まっています。

日本における「ミソフォニア」という単語の検索需要の推移は以下。2017年頃から検索回数が上昇し続けています。

🧪 科学的研究と診断方法
📌 2013年:診断基準が登場
医学誌「PLOS One」では、以下の内容が報告されています。
- ミソフォニアの平均発症年齢は 13歳
- 診断尺度として「Amsterdam Misophonia Scale(A-MISO-S)」を開発
→ トリガー音の種類や不快に感じる頻度を評価

🧠 2017年:脳の反応も明らかに
MRIを用いた研究によって、ミソフォニア患者がトリガー音を聞いた際に、
- 「前部島皮質(anterior insular cortex)」が活性化
→ 注意や感情処理に関わる部位であることが判明
🧬 研究が進んだきっかけ:Misophonia Research Fund
2019年、ミソフォニア患者の親が立ち上げた「Misophonia Research Fund(MRF)」の支援により、研究が加速。
- 新たな診断ツール「S-Five」「Duke Misophonia Questionnaire」が開発
▶️ Duke Misophonia Questionnaire 日本語版はこちら - 2024年には 4005人 を対象にした調査を実施
→ 78.5% がトリガー音に敏感、4.6% は診断レベルの反応あり

❓ ミソフォニアの原因はまだ不明
現時点では、明確な発症原因は解明されていません。ただし、研究の進展によって、
- 脳の構造や感情処理との関係
- 遺伝的要因の可能性
- 成育環境やストレス
など、さまざまな方向からの解明が期待されています。
🧩 自分もミソフォニアかも?と思ったら
✅ チェックしてみましょう
- 咀嚼音やキーボードの音に強い怒りを感じる
- 静かな環境でも微細な音が気になって集中できない
- 耐えられずに席を立ったり、耳をふさいでしまう
これらに心当たりがある場合は、セルフチェックをしてみるのがおすすめです。
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