犬はブドウの大敵「うどんこ病」をどうやって嗅ぎ分けているのか

犬はブドウの大敵「うどんこ病」をどうやって嗅ぎ分けているのか #ニュース・社会・コラム
その敵とは、ブドウ農家が最も恐れる病気のひとつ「うどんこ病」。なんと犬たちは、この病気のごく初期の段階で発せられる“におい”を嗅ぎ分けられるというのです。🍇

🐶犬のスゴ技!ブドウの「うどんこ病」を嗅ぎ分ける理由が科学的に明らかに?

警察犬や麻薬探知犬として活躍するほど、犬の嗅覚は人間の何千倍も鋭いことで知られています。そんな犬たちが、今度はワイン用ブドウを守るために大活躍しているのをご存じですか?

その敵とは、ブドウ農家が最も恐れる病気のひとつ「うどんこ病」。なんと犬たちは、この病気のごく初期の段階で発せられる“におい”を嗅ぎ分けられるというのです。🍇

でも、なぜ犬にそんなことができるのか?その謎を解く鍵を、テキサス工科大学の研究チームが発見しました。

🍃うどんこ病とは?

うどんこ病は「ウドンコカビ」という菌が原因で、葉の表面に白い粉をふりかけたような症状が出る植物特有の病気です。

特にブドウの木はこの病気に弱く、感染すると果実の品質が下がり、収穫量が激減します。🍷農家にとってはまさに「悪夢の病」。

症状が目に見える頃には、すでに手遅れということも多く、大量の農薬を使わなければならないのが現状です。

🐕‍🦺犬の“嗅覚センサー”が活躍!

過去の研究では、犬はうどんこ病にかかったブドウの木をにおいで検出できることが判明しています。
でも、「なぜ犬がそのにおいをかぎ分けられるのか」は、はっきりしていませんでした。

今回の研究では、この疑問に対して**“においの正体を突き止める”**というアプローチで挑みました。

うどんこ病はウドンコカビによって生じる植物特有の病気で、「うどん粉」をかけられたように葉が白く点々と変色することからこの名前が付けられました。うどんこ病は、特にブドウの木に伝染しやすく、植物の成長を妨げるためブドウ農家から忌避されています。感染を特定する方法は、植物の葉が白く濁っていないか人間の目で確認することですが、人間の目で確認できるほど症状が広がっているともはや手遅れで、根絶するには大量の殺菌剤が必要になるそうです。

🔬研究のポイント:においの成分を科学的に特定!

🧪研究手法

  • テキサス工科大学のパオラ・プラダ=ティーデマン博士らのチームは、健康なブドウの葉と感染した葉を比較。
  • 葉を密閉容器に入れ、その中に極細の吸収繊維を入れてにおい成分(揮発性有機化合物)を吸着。
  • それを「ガスクロマトグラフ質量分析法」で解析しました。

🧬わかったこと

  • 感染したブドウの葉は、アルデヒドテルペン類などの化合物を多く放出していることが判明。
  • 健康な葉は時間とともに放出が減るのに対し、病気の葉は感染が進むほどにおいの量が増加する傾向がありました。

つまり、犬はこうした“においの化学シグナル”をキャッチしていた可能性が高いのです。

🐾犬は単一のにおいを嗅ぎ分けている?それとも複数のブレンド?

研究チームは今後、「犬が特定の化学物質に反応しているのか」それとも「においの“組み合わせ”を記憶して識別しているのか」を検証する計画です。

仮に特定の化合物がわかれば、犬をさらに精度高く訓練し、病気の初期段階での早期発見が可能になるかもしれません。


🗣研究者のコメント

「最終的な目標は、“目で見る診断”から“においで感知する診断”へのシフトです。
犬が『あのツタは枯れ始めてるよ!』と教えてくれる世界を想像してみてください。
だって、私たちみんな…美味しいワインが飲みたいですからね🍷」

── パオラ・プラダ=ティーデマン博士


🍇まとめ:犬の嗅覚×科学が農業を変える!

犬たちの驚異の嗅覚と化学の力がタッグを組めば、病気の早期発見・農薬使用の削減・ワインの品質向上という夢のような未来が待っています。

単なる愛玩動物ではなく、犬は“フィールドの守護者”にもなり得る存在なのです🐾✨

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