習慣的コーヒー愛飲者は「デカフェ」でも効果を感じるという驚きの研究結果
朝の目覚めや午後のリフレッシュに欠かせない存在、コーヒー。その主成分であるカフェインは、脳を活性化させる働きで知られています。
しかし、新たな研究では──
「コーヒーを日常的に飲んでいる人は、カフェインを含まない“デカフェ”コーヒーでも、普通のコーヒーと似た効果を得ている」
という意外な結果が報告されました。

🔍研究の背景|カフェインが“すべて”ではない?
コーヒーの効果は本当にカフェインだけによるものなのでしょうか?
スロベニア・ノヴォ・メスト大学の博士課程に在籍するマテヤ・リザー氏は次のように語ります:
「コーヒーには明らかに儀式的な側面があります。カップを持ち、香りを嗅ぎ、味わう──この一連の流れ自体が、心理的・生理的に影響を与えている可能性があります。」
つまり、
- ✅ カフェインの作用
- ✅ 「コーヒーを飲む」という習慣や期待
- ✅ 香りや味による条件反射
といった複数の要素が作用している可能性があるのです。

🧪 実験の概要|カフェインあり&なしでどう変わる?
研究では、健康な**大学生20名(男女各10名)**を対象に以下の実験が行われました。
▶ 実験条件
- 対象者はコーヒーを毎日1〜3杯飲む習慣あり
- 睡眠時間:7時間以上
- 実験直前の断食・断カフェイン:8〜11時間
- 実験直前にデカフェコーヒーを摂取(以下の2種類)
グループ | 内容 |
---|---|
☕A:プラセボ群 | カフェインを含まない完全なデカフェ |
☕B:実験群 | デカフェに**カフェインパウダー(体重1kgあたり6mg)**を追加 |
被験者はどちらを飲んだか知らされておらず、全員が「自分はカフェイン入りを飲んだ」と信じていたとのこと。

📈 主な結果|カフェインがなくても“効果”を感じている?
💓 生理的な反応
- 心拍数の減少&血圧上昇 → 両グループで共通の変化
- 差異は統計的に有意ではなかった
🧠 認知タスクの結果
項目 | カフェインあり | カフェインなし |
---|---|---|
暗算の正確さ・速度 | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
聴覚注意(反応速度) | わずかに改善(有意差あり) | 軽度改善(有意差なし) |
脳波(認知処理時) | 明確な活動増加 | 微増だが有意ではない |
アルファ波(安静時) | 減少(集中状態) | 減少なし |

🔍 総合評価
- ✅ カフェインは脳波・注意力に明確な影響を与えた
- ✅ しかし、カフェインなしでも身体・認知に変化が生じた
- 🧠 これは「プラセボ効果」「条件付け」などによる影響と考えられています

☕香り・習慣・期待の力は偉大だった?
リザー氏は以下のように結論づけています:
「カフェインに慣れた人は、カフェインを含んでいなくても、コーヒーを飲むことで覚醒感や集中を感じやすくなる可能性があります。」
過去の研究では、**「コーヒーの香りを嗅ぐだけでテスト成績が向上」**するという結果も報告されており、コーヒーにまつわる心理的効果の強さが示されています。
⚠️ 注意点と今後の課題
- 👥 被験者数はわずか20名
- ☕ 全員がコーヒー愛飲者
- 💊 デカフェにも微量のカフェインや他の成分が含まれている可能性
- 🧪 より大規模&多様な実験が今後の課題
リザー氏は「コーヒーの“効果”を生む要因の内訳を、さらに明確にしたい」と語っています。
📌 結論|「コーヒー=カフェイン」の常識が変わるかも?
観点 | 従来の理解 | 今回の研究での示唆 |
---|---|---|
効果の主因 | カフェインが中心 | 習慣・条件反射も大きい |
カフェインなしでも覚醒? | ないと思われていた | 実際には似た反応あり |
コーヒーの力 | 化学的 | 心理的・儀式的要素も大 |