海賊版ストリーミングサイト「Braflix」、急成長の末に規制圧力で閉鎖を発表
急速に成長した海賊版サイト「Braflix」
2023年に登場した海賊版ストリーミングサイト「Braflix」は、膨大な映画やテレビ番組のライブラリを違法に提供しつつも、使いやすいインターフェースを備えていたことで瞬く間に人気を集めました。その結果、わずか1年で月間数百万PVを記録するまでに成長。世界中のユーザーがアクセスし、短期間で一大エンターテイメントプラットフォームへと発展しました。しかし、違法コンテンツを扱うサイトが規制当局の目に留まるのは時間の問題でした。
海賊版サイト閉鎖の波とBraflixへの規制圧力
2024年の夏、映画スタジオやエンターテイメント企業で構成される著作権侵害対策組織「Alliance for Creativity and Entertainment(ACE)」は、複数の著作権侵害アプリや海賊版ストリーミングサイトに対し、米国著作権法(DMCA)に基づく召喚状を発行。そのリストには「braflix.video」も含まれており、ACEは厳しい監視体制を敷きました。
さらに、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)もEUでの協議でBraflixを「深刻な著作権侵害の脅威」と警告。複数の言語で字幕が提供される映画やテレビ番組、韓国ドラマなど、多彩なコンテンツを違法に提供していることが指摘され、Braflixの運営者にはプレッシャーがかかり続けました。
規制圧力の強化とドメイン変更
2024年夏以降、Braflixはホスティングプロバイダからの措置を避けるために複数回のドメイン変更を試みましたが、各プロバイダがACEやMPAの申請を受け入れ、サイトはたびたびオフラインにされました。その結果、Braflixの運営者は新たなホスティングサービスにサイトを移転させる必要に迫られ、活動の持続が厳しくなっていきました。
2024年11月:Braflixの閉鎖発表
ついに2024年11月4日、Braflixは公式サイト上で閉鎖を発表。「この素晴らしいコミュニティの一員でいてくれた皆様に感謝します」というメッセージを掲載し、サイトの幕を閉じました。Discordチャンネルでは、運営者が英国ロンドン市警やMPAからの停止通告を受けたことを示唆しましたが、具体的な法的措置の詳細は明かされていません。
閉鎖後のBraflix関連のドメインは、ACEの「合法的に視聴する」ページにリダイレクトされており、ユーザーには正規のコンテンツ利用を促す対応が取られています。
規制当局の取り組みと終わりのない「モグラ叩き」
TorrentFreakによると、今回のBraflix閉鎖は著作権者にとっての大きな勝利である一方、海賊版サイト規制の「モグラ叩き」とも言える状況が続くと指摘しています。多くの海賊版サイトが閉鎖されても、すぐに新たなサイトが立ち上がり、ユーザーは容易に移動できるため、海賊版撲滅は一筋縄ではいきません。
また、TorrentFreakは次のように述べています。「海賊版ユーザーは、お気に入りのサイトが閉鎖されても次のサイトに移るだけです。今後も海賊版サイトが次々に登場し、規制当局とのイタチごっこが続くでしょう。」
海賊版サイトへの対策が抱える課題と今後の展望
今回のBraflix閉鎖は、世界中で著作権侵害に対する取り締まりが強化されている現状を象徴しています。しかし、違法コンテンツの需要が根強いことから、海賊版サイトの完全撲滅にはまだ時間がかかると見られています。公式コンテンツのさらなる普及と利便性の向上が、海賊版サイト利用者の減少に貢献するかが今後の課題となるでしょう。
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