🔋 MicrosoftとIBM、AIで“次世代バッテリー素材”を発見へ──数千万候補から最適解を導く新時代
スマートフォン、ノートPC、電気自動車――現代社会のあらゆるデバイスに欠かせない「バッテリー」。
その心臓部となる新素材の探索を、今やAIが担い始めています。
米MicrosoftとIBMは、AIを活用して革新的な電解質材料を発見する取り組みを進めており、
IEEE Spectrumはこの動きを「バッテリー開発のパラダイムシフト」と報じました。

⚡ AIが導く“次世代バッテリー素材”革命
バッテリーの性能・寿命・安全性を左右する要素のひとつが「電解質」。
Microsoftはこの電解質の探索にAIを導入し、わずか数日でリチウム使用量を70%削減可能な新素材を発見しました。
同社の研究チームは、3250万通りもの素材候補をAIモデルで80時間以内に分析。
結果として、有望な新化合物「NaxLi3−xYCl6」を特定しました。
この素材はパシフィック・ノースウェスト国立研究所での合成・実験段階に入っています。
💬 Microsoftのネイサン・ベイカー氏(Azure Quantum Elements プロジェクトリーダー) はこう語ります:
「AIによって、数年かかるはずだった材料探索が、わずか数十時間で完了できることを証明しました。」

🧠 AIと量子技術が加速させる“素材探索の新常識”
Microsoftが開発したAIモデル「M3GNetフレームワーク」は、
分子動力学シミュレーションを用いて原子の拡散率や安定性を高速に判定。
1️⃣ まずAIが新しい化学組み合わせを既知の結晶構造に投入
2️⃣ 安定した分子を選定し、3250万候補 → 50万候補に絞り込み
3️⃣ さらに化学的性質で絞り込み、最終的に800種類まで縮小
4️⃣ そこから人間の専門知識と実験を組み合わせて最適素材を確定
このAI×科学の融合が、材料研究のスピードと精度を劇的に高めたのです。

🧪 IBMも独自AIで“理想の電解質”を発見
IBMリサーチのチームもAIを活用し、既存電解質を超える高イオン伝導性の新素材を発見。
塩・溶媒・添加物など複雑な組み合わせ(6〜8要素)をAIモデルに学習させ、
数十億分子を解析する「化学基礎モデル」を構築しました。
このAIは、バッテリーの「分子構造 → 電気特性 → 劣化挙動」まで一貫して予測できるため、
研究段階からEV(電気自動車)メーカーとの共同開発にも活用されています。
👩🔬 IBM主任研究員 ヨンヘ・ナ氏 はこうコメントしています:
「特殊な新物質ではなく、既存材料の組み合わせから最適解を導く。
それが次世代バッテリー開発の現実的なアプローチです。」

🌍 世界中で加速する“AIによる材料探索”の潮流
AIによる新素材探索はMicrosoftやIBMに限りません。
- 🧑🔬 ニュージャージー工科大学:AIがリチウムイオン電池を超える5つの新材料を特定
- 🧑🏫 スタンフォード大学:材料探索AIにおける「広さと深さ」の両立を提唱
- 🤖 Google DeepMind:AIで220万種の新しい結晶構造を発見
これらの研究が示すのは、AIが“科学者の拡張知能”となる時代の到来です。
「AIに科学者の思考を教える」――それが、次世代科学の新しい形になりつつあります。

⚙️ 次なるステージは量子コンピューティング
MicrosoftとIBMは、AI探索をさらに加速させる次の一手として量子コンピューターの導入を見据えています。
ベイカー氏は次のように語ります👇
「従来のコンピューターでは、複雑な化学反応を正確に再現するのが難しい。
量子技術をAIの訓練に組み込むことで、より高精度なデータを得られるようになる。」
量子シミュレーションによって、これまで人類が手を出せなかった
“原子レベルのバッテリー設計”が現実化する日も近いでしょう。⚛️
🧩 まとめ:AIが創る「エネルギー革命」の未来
- MicrosoftはAIでリチウム70%削減素材を発見
- IBMは高伝導性の電解質をAIで特定
- 世界中の研究機関がAIを材料科学の中核に据え始めている
- 量子技術との融合で、エネルギー開発は新たな次元へ
AIが科学者と並んで“発見を生み出す存在”になる時代が、いま動き出しています。🚀
