カリフォルニア沖で暮らすアシカの間で、腎臓病を引き起こす細菌感染症「レプトスピラ症」が流行しています。例年より早い時期に多くの発症が確認されており、人間やペットへの感染リスク が懸念されています。

レプトスピラ症とは?🦠
レプトスピラ症は、腎臓に大きなダメージを与える細菌感染症です。
人や動物が感染すると以下のような症状が現れることがあります。
- 発熱・頭痛・筋肉痛
- 黄疸や腎障害
- 髄膜炎や肝不全
- 呼吸困難
- 重症化すると死に至る場合も
特に犬やアシカといった哺乳類に感染が広がりやすく、人獣共通感染症 として知られています。
アシカに現れる異常な行動🐾
カリフォルニア州にある 海洋哺乳類センター(MMC) の報告によれば、感染したアシカは通常とは異なる行動を見せます。
👉 アシカは普段、食事から水分を摂取するため水を直接飲むことはほとんどありません。
しかし感染個体は 頻繁に水を飲む行動 を示し、これは腎臓が正常に働かなくなっているサインだといいます。
感染の広がりと周期性🌊
- レプトスピラ症はアシカにとって珍しい病気ではなく、およそ4年ごとに流行 する傾向があります。
- 2025年はすでに 100頭以上の感染が確認 されており、例年より 6~8週間早く流行が始まった と報告されています。
- 感染経路の多くは 感染動物の尿 を介して広がります。
MMCは「非常に大規模な流行が発生しており、現時点で収束の兆しはない」と強い警戒を呼びかけています。
人やペットへのリスク🐶👨👩👧
アシカの間で広がっているこの病気は、人や犬にも感染する可能性があります。
特に海岸沿いに住む人々やペットにとって、以下のリスクが指摘されています。
- ペットが海洋生物やその排泄物に触れることで感染
- 散歩中に海辺で汚染された水たまりや砂に接触
- 人間自身も感染動物の尿や体液に触れることで発症
CDC(米国疾病予防管理センター)によると、世界で年間約100万人が感染し、約6万人が死亡 している深刻な感染症です。
治療と予防の課題💊
MMCによれば、レプトスピラ症と診断されたアシカには抗生物質の投与が推奨されています。
しかし急性期に入った個体は、治療を行っても 約3分の1しか生存できない という厳しい現実があります。
人間やペットに対しても抗生物質で治療可能ですが、早期発見が重要です。
専門家の注意喚起🚨
ジャンカルロ・ルッリ氏(MMC広報部)は次のように警告しています。
「これは人獣共通感染症であり、人や犬に感染する可能性がある。この地域では特にペットへの感染を懸念している」
専門家は海岸へ犬を連れて行く場合、以下の対策を推奨しています。
- 必ずリードをつける
- 海洋哺乳類や死骸に近づけない
- 海辺の水たまりや砂を不用意に触らせない
- 帰宅後はしっかり洗浄・消毒する
まとめ📝
- レプトスピラ症は アシカから人やペットに感染する危険な細菌感染症。
- 腎臓障害や髄膜炎、呼吸不全などを引き起こし、重症化すると死に至る可能性も。
- カリフォルニアでは例年より早く、100頭以上のアシカで感染が確認されている。
- 感染は 尿を介して拡大 し、特に犬の散歩などでリスクが高い。
- 海岸に行く際はペットの行動に注意し、接触を避けることが重要。
🐾 人も動物も守るために、正しい知識と予防策が欠かせません。
