海や湖などの「水辺」に住むことは、メンタルヘルスや身体的健康にメリットをもたらすことがこれまでの研究で知られてきました。しかし、「寿命そのもの」にどう影響するか についてはあまり調べられていませんでした。
最新の研究では、同じ「水辺」でも 「海辺」 と 「内陸の湖や川」 では、寿命に与える影響がまったく異なることが判明しました。

📊 アメリカ6万以上の地域を調査した大規模研究
オハイオ州立大学のジャンヨン・ウー助教らの研究チームは、アメリカ全土 66,263の国勢統計区 を対象に調査を実施。
- 平均寿命データ → アメリカ疾病予防管理センター(CDC)
- 水域データ → アメリカ地質調査所の地理空間データセット
を用いて、「住む場所と寿命」の関係を分析しました。
調査の結果、アメリカ全体の平均寿命は 78.3歳。国勢調査区ごとに 56.9歳~97.5歳 まで大きなばらつきがありました。

🌊 海辺に住む人は平均寿命が長い!
分析の結果、以下のことが明らかになりました。
✅ 海や湾から30マイル(約48km)以内の沿岸部に住む人は長寿傾向
👉 平均寿命は 79歳以上、場合によってはさらに1年以上長い
❌ 都市部の湖や川の近くに住む人は短命傾向
👉 平均寿命は 約78歳 と、全国平均よりも短い
🏡 農村部の湖や川の近くでは、都市部ほど悪影響はなく、沿岸部ほどではないが寿命が長い傾向が見られました。

🌀 なぜ海辺は「長寿」につながるのか?
研究者たちは、以下の理由が関係していると考えています。
🌤 気候が安定している
内陸よりも寒暖差が少なく、体への負担が少ない。
🍃 空気がきれい
大気汚染が少なく、呼吸器や心臓への影響が軽減。
🚶 レクリエーションの機会が豊富
散歩・水泳・ジョギングなど、自然と身体活動が増える。
💰 社会経済的要因
海辺は不動産価格が高い傾向があり、比較的裕福な人が住むケースが多いため、医療や健康的な生活へのアクセスが良い。
一方で、湖や川のある内陸都市部では…
- 🚧 汚染
- 💸 貧困
- 🏙 運動不足(安全な環境が少ない)
- 🌊 洪水リスクの増加
などが影響し、むしろ健康リスクが高まる可能性が指摘されています。

🔍 専門家のコメント
研究を率いたウー助教は次のように述べています。
「あらゆる水辺が健康に良いと思っていましたが、海辺と内陸の水辺では明確な違い がありました。沿岸部の住民は、統計的により長生きしているのです」
📝 まとめ
- 海辺に住む人は 平均寿命が1年以上長い 傾向
- 湖や川の近くでも、都市部では寿命が短い可能性
- 環境・社会経済・生活習慣の複合要因が関係
「どこに住むか」という環境が、寿命を左右する可能性があることを示す興味深い研究結果です。
もし健康的な老後を目指すなら、海辺のライフスタイル を検討してみてもよいかもしれませんね🏖️。

