2025年7月31日、アメリカの連邦第9巡回区控訴裁判所は、Epic GamesとGoogleのアプリストアを巡る独占禁止法裁判において、Epic Gamesの勝訴を再確認する判決を下しました。
これにより、Google Play上でも「Epic Games Store」の配信が可能になる見通しとなり、Androidのアプリ市場に大きな変化がもたらされることになります。
⚖️ 事の発端：アプリ内課金に対する手数料を巡る訴訟
Epic Gamesは2020年、人気ゲーム「フォートナイト」においてGoogleやAppleのストア外決済を導入。これは各ストアのガイドライン違反とされ、アプリが削除される事態に発展しました。
Epic側は「15～30％の手数料は過剰であり、事実上の独占だ」として、GoogleとAppleを独占禁止法（反トラスト法）違反で提訴しました。
このうちGoogleとの裁判は2023年に第一審がEpic側の勝訴で終了。Googleは控訴していましたが、今回の控訴審でもEpic Gamesの主張が全面的に支持されました。
✅ 控訴審の結論：Googleは違法な独占状態にある
判決を下した第9巡回区控訴裁判所の3人の判事は全員一致で、Google Playとその決済システムが「違法な独占」状態にあると判断。
Epic Gamesの訴えを支持した第一審の判決をそのまま維持し、Googleの控訴を正式に棄却しました。
EpicのCEOであるティム・スウィーニー氏は、X（旧Twitter）上で「Total victory（完全勝利）！」と喜びを表現しています。
📱 Google Playが解放へ、Epic Games Storeが配信可能に
今回の判決によって、Googleは3年間、自社ストア内に他社アプリストア（サードパーティーストア）を許可しなければならない義務を負うことになります。
これにより、Epic Gamesは自社の「Epic Games Store」のAndroid版アプリをGoogle Play上で配信できるようになる見通しです。
今までは外部リンクからのダウンロードのみ対応していましたが、今後は正規ルートでのインストールが可能になる点で大きな前進となります。
🛡 Googleの反論：「ユーザーの安全とイノベーションを損なう」
Google側はこの判決に対し強く反発しており、グローバル規制責任者のリー＝アン・マルホランド氏は次のようにコメントしています。
「この判決は、ユーザーの安全性を著しく損なうだけでなく、Androidのエコシステムを支えてきたイノベーションと選択肢を制限するものです。今後も安全なプラットフォームを維持する努力を続けます」
Googleは今後、さらに上級審への上告を行う可能性が高く、Androidアプリ市場の構造改革はまだ始まったばかりです。
📊 今後の影響：Androidのアプリ流通が一変する可能性
この判決が意味する最大のポイントは、Android端末におけるアプリ流通の独占がついに崩れ始めたということです。
- ✅ ユーザーはGoogle Play以外からも安全にアプリを取得可能に
- ✅ 開発者はGoogleに高額な手数料を支払わずに収益化できる可能性
- ✅ Appleへの同様の法的圧力の流れが加速する恐れも
特にEpic Gamesの勝訴は、「プラットフォームの透明性と開放性」に関する世界的な議論を後押しする結果とも言えるでしょう。
🤔 なぜAppleには敗訴してGoogleには勝訴したのか？
同様に訴えられたAppleには、Epic Gamesは一部敗訴しています。その違いは、AppleのApp StoreがiOSというクローズドな環境に存在するのに対し、AndroidはオープンなOSとして設計されている点にあります。
Androidがオープンであることを前提に、Googleが実質的に競争を阻害していた事実が、司法判断において重く受け止められたと見られています。
✍️ まとめ：Google Playの改革は避けられない未来へ
今回のEpic Gamesの勝訴は、モバイルアプリ業界に大きな転換点をもたらしました。
- ⚖ Googleは独占状態を裁判所に否定され、敗訴が確定
- 🎮 Epic Games StoreがGoogle Playで配信される可能性が高まる
- 💬 Googleはユーザーの安全性を懸念し、今後の上告を示唆
- 📲 Android市場の多様化と透明性が一歩前進
今後のモバイルアプリ流通は、より開かれた競争環境へと進むことが期待されます。
