金髪碧眼で肌が白い――それが「ヨーロッパ人」の一般的なイメージかもしれません。
しかし、最新のDNA研究によって、わずか3000年前まで多くのヨーロッパ人が黒い肌・黒い髪・暗い目をしていた可能性が示されました。
「白い肌」は実は、ごく最近の進化の産物かもしれないのです。

🔍 古代人の肌は黒かった?研究の背景
現生人類ホモ・サピエンスはおよそ20万年前にアフリカで誕生し、もともと黒い肌と髪を持っていました。
その後、世界各地へと移動を始め、高緯度の地域(紫外線が少ない場所)では、進化の過程で肌や髪の色素が徐々に薄くなっていきました。
とはいえ、「ヨーロッパ人の肌がいつから白くなったのか」は長年の謎でした。

🧬【研究の中身】34カ国の古代DNAを大規模分析!
イタリア・フェラーラ大学の遺伝学者シルヴィア・ジロット氏らが中心となった国際研究チームは、西ヨーロッパからアジアにまたがる34カ国の遺跡から得られたホモ・サピエンスのDNAを徹底分析。
📍分析には以下の技術を使用:
- Probabilistic phenotype inference(確率的表現型推論)
- HIrisPlex-Sシステム(不完全なDNAから外見の色素を予測する技術)
研究の対象には、なんと4万5000年前の西シベリアの個体も含まれています!

📊【進化のタイムライン】肌の色の変遷とは?
以下は、研究で明らかになったヨーロッパの人々の肌の色の進化のタイムラインです:
🦴 旧石器時代(約4万5000~1万3000年前)
- 黒い肌(Dark)が圧倒的に優勢
- 金髪・青い目などの形質はほとんど見られない
🪓 中石器時代(約1万4000~4000年前)
- 一部の個体で明るい目や肌が現れ始める
- しかし全体的にはまだ「黒が主流」
🌾 新石器時代~青銅器時代(約1万~3000年前)
- 褐色(Intermediate)や明るい肌(Light)が増加
- 地域差が大きく、イベリア半島やイタリアでは黒い肌が依然として主流
⚔️ 鉄器時代(約3000年前~)
- ようやく明るい肌や髪の形質がヨーロッパ全域に広がる
🔎 つまり、現代的な白い肌や明るい髪・目の色は、「ここ数千年で急激に広がった」形質というわけです。
❗専門家も驚き「ヨーロッパ人の色素変化は思ったより最近だった」
今回の研究には関与していないスペイン・バルセロナの進化生物学研究所のカルレス・ラルエザ・フォックス氏も、
Live Scienceへのコメントで次のように語っています。
「ヨーロッパ人が比較的最近まで暗い色素を持っていたという事実には驚かされた」
さらに、明るい肌や目の色が進化上の利点としてどう働いたのかは、まだ明確にわかっていないとも付け加えました。

🤔 なぜ肌の色は変わったのか?
現時点で有力とされる説には、次のようなものがあります:
☀️ 紫外線量とビタミンD合成
高緯度の地域では紫外線が弱く、白い肌のほうがビタミンDを効率よく生成できると考えられています。
💑 性的選好(セクシュアルセレクション)
一部では「明るい髪や目が異性に好まれたために遺伝的に拡散した」とする説もあります。
🌍 移動と混血
インド・中東・アジアなど他の地域からの移住・混血により、色素のバリエーションが広がった可能性も。
🧩 関連データや豆知識も紹介!
- 🧊 アルプスの氷河で発見された「アイスマン」は肌の色が暗い西アジア系だった
- 🧠 1万8000年前のヨーロッパでは、一家皆殺しや脳の共食いが行われていた証拠も
- 🐄 古代ヨーロッパでは、牛は食用ではなく「糞」目的で飼育されていたことも判明
過去の人類像は、私たちの想像とは大きく異なる可能性があります。
📝 まとめ|「白いヨーロッパ人」は進化の新顔だった!?
今回の研究は、私たちが持つ「ヨーロッパ人=白い肌」というイメージが比較的新しい現象であることを教えてくれます。
📌 要点まとめ:
- 古代ヨーロッパ人の多くは黒い肌・髪・目を持っていた
- 明るい色素の遺伝子が広がり始めたのは約3000年前以降
- 色の変化には、環境・文化・遺伝的要因が複雑に関与
私たち人類は、絶えず進化し、変化してきた存在なのです。
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