Google、Chromeで広告ブロック機能の制限を計画 ─ 広告収益とプライバシーの狭間で

Google、Chromeで広告ブロック機能の制限を計画 ─ 広告収益とプライバシーの狭間で #WEB・プログラム・SEO
Google、Chromeで広告ブロック機能の制限を計画 ─ 広告収益とプライバシーの狭間で
Google、Chromeで広告ブロック機能の制限を計画 ─ 広告収益とプライバシーの狭間で
Google、Chromeで広告ブロック機能の制限を計画 ─ 広告収益とプライバシーの狭間で

2019年1月、Googleは自社のウェブブラウザ「Google Chrome」で広告ブロック機能を制限する計画を明らかにしました。Googleは検索エンジンやAndroidなどの開発で知られる一方、広告配信事業でも世界的な地位を持ち、その収益の約9割を広告から得ています。広告が大きな収入源であるため、広告をブロックする拡張機能が収益に与える影響は無視できません。

広告ブロックとメディアの攻防

広告ブロック機能を提供する「Adblock Plus」や「uBlock Origin」は、インターネット利用者にとって煩わしい広告を除去する一方、広告収入を主な収益源とする多くの企業にとって悩みの種です。特にニュースサイトなどでは、広告ブロック機能を使うユーザーへのアクセス制限が議論を呼んできました。

こうした背景の中、Googleは広告ブロック機能の制限を「セキュリティとプライバシーの向上」を理由に進めています。Googleが基盤とする「Chromium」プロジェクトの拡張機能ポリシー「マニフェストバージョン3(Manifest V3)」で、広告ブロック機能に影響を与えるAPIの変更が提案されました。

広告ブロック機能の制限内容

Googleの新たなマニフェストV3では、従来のwebRequest APIがdeclarativeNetRequest APIに置き換えられます。この変更により、uBlock OriginやuMatrixといった拡張機能の一部が動作しなくなる可能性があります。これについて、uBlock Originの開発者レイモンド・ヒル氏は「このAPIが唯一の選択肢になれば、これまで提供してきたサービスを維持できなくなる」と懸念を示しています。

一方で、Googleは「ユーザーに拡張機能を細かく制御する権限を与えるため」と説明していますが、海外メディア「The Register」は、「Googleの広告ビジネスが背後にある」との指摘をしています。さらに、Googleと他の広告ネットワークは、Adblock Plusに対して一部広告のホワイトリスト化のための支払いを行っているとされています。

Google、Chromeで広告ブロック機能の制限を計画 ─ 広告収益とプライバシーの狭間で-2
Google、Chromeで広告ブロック機能の制限を計画 ─ 広告収益とプライバシーの狭間で-2

利用者に与える影響と今後の展開

新APIの導入は広告ブロック機能の有効性を低下させますが、Adblock Plusのような一部のサービスでは依然として基本的なフィルタリングが可能です。そのため、競合する広告ブロック拡張機能に比べてAdblock Plusは優位性を保つことになります。

現在、ChromiumのマニフェストV3はまだ提案段階にあり、正式な実施時期は未定です。しかし、すでに一部の開発者からは「プライバシーの名のもとに広告ビジネスの利益を優先している」と批判の声が上がっています。Google広報は「変更は設計段階にあり、今後の状況次第で見直しも行われる」とコメントしています。

まとめ

GoogleのChrome広告ブロック制限は、広告ビジネスとユーザー体験のバランスを問う新たな局面を迎えています。ブラウザの進化と共に、ユーザーはセキュリティ・プライバシーの向上を期待していますが、背後にある商業的な意図が疑問視されているのも事実です。今後の動向次第では、広告のあり方やウェブ体験が大きく変わる可能性があるでしょう。

2019年の記事ですが、2024年の現在では、safariやほかのブラウザでも、デフォルトであまりにもユーザー体験を損なうような広告に関しては、表示されないような機能も実装されてきました。健全な広告収益の維持や、悪質広告の対処など、広告ブロックの機能は大事なものがあると思います。

今後も、広告業界と広告blockの動きはインターネットユーザーの人たちにとって、体験に大きな差が出るので注目が離せませんね。

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