Google傘下のYouTubeは、長年トレンド動画を集約する目的で運用されてきた「急上昇(Trending)」ページを正式に廃止すると発表しました。その代替として、音楽、映画、ポッドキャストなどジャンル別に人気コンテンツを把握できる「YouTube Charts」へと大きく舵を切ります。

🔍 なぜ「急上昇」は廃止されるのか?時代の変化が背景に
YouTubeが「急上昇」ページを初めて導入したのは2015年。当時は一つのリストで「いま話題の動画」を俯瞰できるシンプルな仕組みとして機能していました。
しかし現在は、視聴者の関心はコミュニティごとに分断され、ジャンルごとの「マイクロトレンド」が台頭する時代。ユーザーはおすすめフィード、検索候補、ショート動画、コメント欄、さらにはYouTubeコミュニティなど多様な経路からトレンドを発見しています。
実際、YouTubeは「急上昇」ページへのアクセス数が過去5年間で大きく減少したと説明しており、ユーザーのトレンド認知のスタイルが根本的に変化していることを示しています。

YouTube podcast charts: United States Weekly Top Podcast Showshttps://charts.youtube.com/podcasts

YouTube music charts: Japan Trending Movie Trailershttps://charts.youtube.com/charts/TrendingTrailers/JP

ただし、ゲーム関連の動画については引き続きYouTubeの「探索」で、「ゲーム」というカテゴリーでまとめられるとのこと。YouTube – Gaminghttps://www.youtube.com/gaming

📈 今後は「YouTube Charts」でジャンル別トレンドをチェック可能に
「急上昇」ページの終了に代わって、今後は以下のようなジャンル別チャートが用意され、よりパーソナライズされた形で話題動画を発見できるようになります。
- 🎵 急上昇のミュージックビデオ(日本や米国など国別)
➤ 日本の音楽チャートを見る - 🎙️ ポッドキャストのウィークリーランキング
➤ ポッドキャストチャート(米国) - 🎬 話題の映画予告編(国別)
➤ 映画トレーラーチャート(日本)
YouTubeはこの新しい構成により、「より多くの視聴者の多様な関心に対応できる」としています。
🎮 ゲームジャンルは例外的に「探索」内で継続
すべてのカテゴリがチャート形式に移行されるわけではありません。ゲーム関連動画については引き続き、YouTubeの「探索」ページ内にある「ゲーム」カテゴリからトレンドを把握できるとのことです。
💡 トレンド把握の軸は「おすすめ」や個別体験に
YouTubeは「チャートでの可視化だけでなく、個々の視聴者の嗜好に基づいたパーソナライズ機能も今後の主軸となる」と発表しています。つまり、これまでのように全ユーザーに同一のリストを表示するのではなく、アルゴリズムによる“あなた向け”の推薦がさらに重視されるようになります。
また、YouTube側は「クリエイターに対しても、各地域・ジャンルでの人気傾向を把握できるツールの提供を強化する」としています。コンテンツ戦略を立てる上でのヒントとなるデータ提供が充実することで、より戦略的な動画制作が可能となる見込みです。
📉 急上昇ページ廃止が与える影響は?
YouTubeにとって「急上昇」ページは象徴的な存在でしたが、現在の視聴行動には合わなくなってきたといえます。新たに導入されるチャート機能は、ジャンル・地域・形式ごとに細かくトレンドを把握できる利点があり、特に音楽や映画、ポッドキャストのファン層にとっては利便性の高い改革になるでしょう。
一方で、全体の動画トレンドを“ざっくり一覧”で把握したいユーザーにとっては、従来の「急上昇」ページ廃止はやや不便に感じる可能性もあります。
📌 まとめ:YouTubeのトレンドは“リスト”から“文脈”へ
- 「急上昇」ページは2025年中に正式に廃止
- 今後はジャンル別のチャートページ「YouTube Charts」でトレンド把握へ
- ゲームジャンルは従来通り「探索」内で継続
- おすすめ・ショート・検索などの文脈型トレンドが主流に
- クリエイターには分析・戦略ツールが強化される見込み