男女を比較すると、女性は男性よりも2〜3倍片頭痛を発症しやすいことが知られています。
モナッシュ大学の研究によると、この差の背後にはホルモン変動・遺伝・脳の感受性といった複数の要因が関係していることが明らかになりました。
📄 出典:

🧠 片頭痛とは?ただの「頭痛」ではない脳の感覚異常
片頭痛は単なる頭痛ではなく、脳が感覚情報を異常に処理してしまう神経障害です。
その結果、以下のような五感の過敏反応が起こります。
- 👁️ 光への過敏反応(まぶしさ・視覚異常)
- 👂 騒音過敏・耳鳴り
- 👃 匂いへの過敏反応(特定の香りで頭痛悪化)
- 🤚 皮膚の痛みや頭皮の違和感
- 👅 味覚異常・吐き気・嘔吐
発作は通常4〜72時間続き、ズキズキとした拍動性の痛み・めまい・倦怠感・集中力低下を伴うこともあります。

🌸 思春期から急増──女性ホルモンがもたらす影響
子どもの頃は男女で片頭痛の発症率に大きな差はありません。
しかし思春期以降、女性の方が2〜3倍も発症しやすくなります。
🔹 その理由は、エストロゲン(女性ホルモン)とプロゲステロンの分泌変動にあります。
女性の体は思春期・月経・妊娠・閉経といった節目でホルモン量が大きく変動します。
このホルモンの変化が、片頭痛の発作を引き起こす「引き金」になるのです。

🔄 ホルモン変動と片頭痛の関係
💢 月経期のエストロゲン低下
エストロゲンが急激に下がると、脳の神経活動が不安定になり、
「皮質拡延性抑制(CSD)」と呼ばれる異常な電気活動が起こります。
これは脳全体にゆっくりと広がる電気信号の波で、通過した後に感覚処理が乱れます。
結果として、光や音などの刺激に過敏となり、頭痛が発生しやすくなります。
実際、多くの女性が月経前に片頭痛を発症します。

🤰 妊娠・出産によるホルモンの乱高下
妊娠初期はホルモンが急激に変動するため、片頭痛が一時的に悪化します。
ただし妊娠中期〜後期はホルモンが安定し、症状が緩和することもあります。
しかし出産後、エストロゲンとプロゲステロンが一気に減少すると、
片頭痛が再発・悪化するケースが多く報告されています。
🌙 閉経期の不規則なホルモン分泌
閉経期には卵巣の機能が低下し、ホルモンの分泌が不規則になります。
その結果、片頭痛が突発的・不規則に発生し、更年期障害と重なることもあります。
ホルモン補充療法(HRT)は症状を和らげる可能性がありますが、
一部では逆に片頭痛を悪化させるリスクもあるため、医師の慎重な管理が必要です。

⚡ 遺伝とミトコンドリアの関係──母系遺伝のメカニズム
片頭痛には母系遺伝の傾向があります。
これは母親から子どもへ受け継がれるミトコンドリアDNAが関係しているためです。
ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを作る装置ですが、
片頭痛体質の人では酵素量が少なく、脳のエネルギー不足が起こりやすいといわれます。
エネルギーが不足すると脳が過敏になり、
睡眠不足・空腹・精神的ストレスなどが重なると片頭痛を誘発しやすくなります。
💬 精神的ストレスとの関係──女性が影響を受けやすい理由
片頭痛と不安・うつ病には強い相関があります。
特に女性は社会的・心理的ストレスの影響を受けやすく、
ストレスがホルモンバランスを乱し、発作を誘発することがあります。
📝 モナッシュ大学研究チームのアドバイス
研究者らは、片頭痛に悩む女性に対し以下を推奨しています。
📅 月経周期と片頭痛の発生を記録すること。
→ 「どのタイミングで痛みが起きるか」を把握することで、
ホルモン変化との関連を見つけやすくなり、予防薬や生活改善につなげられます。
🌺 まとめ:ホルモンと脳の「微妙なゆらぎ」が女性の片頭痛を左右する
女性に片頭痛が多いのは、「我慢強いから」でも「体が弱いから」でもありません。
それは、エストロゲンを中心としたホルモンと脳の相互作用が深く関与しているためです。
ホルモン変動・遺伝・ストレス──これらの要素が複雑に絡み合うことで、
女性特有の片頭痛のメカニズムが形づくられています。
日々の体調記録や専門医のサポートを活用し、
ホルモン変動に合わせたケアを行うことが、片頭痛との上手な付き合い方につながります。

