アメリカのドナルド・トランプ大統領は、2025年6月17日、SNSアプリ「TikTok」に対する禁止措置の施行を再び90日間延期する大統領令に署名しました。これはTikTokをめぐる対応としては3度目の猶予延長となります。

📌 なぜTikTokは禁止対象に?
TikTokは、親会社である中国のByteDanceが運営しているため、
2025年1月に施行された「外国の敵対者が管理するアプリケーションからアメリカ人を守る法」(通称:TikTok禁止法)に基づき、以下のような条件を突きつけられていました。
- ✅ 1月19日までにアメリカでの事業を売却する
- ❌ さもなければアメリカ国内でのサービス提供を停止
この法律はバイデン政権下で成立したもので、国家安全保障上のリスクを理由に、「敵対国の影響下にあるアプリ」を制限する目的があります。

🗓️ TikTok禁止措置の延期の流れ
日付 | 内容 |
---|---|
2025年1月 | TikTok、アメリカでサービス停止へ |
同年1月20日 | トランプ氏が大統領就任、その翌日に75日間の執行猶予を発表 |
2025年4月上旬 | 2度目の75日間延長を大統領令で決定 |
2025年6月17日 | 3度目となる90日間の延長を表明 ←★今回のニュース |
ホワイトハウス報道官キャロライン・リービット氏は声明で次のように述べています:
「トランプ大統領はTikTokの即時禁止を望んでいるわけではありません。延長された90日間で、売却合意を確実に締結し、アメリカ国民が安心してTikTokを利用できる状態を目指します」

🇨🇳交渉が難航する背景:中国政府の反発
実は、TikTokの親会社ByteDanceは、アメリカ向けの新会社設立による売却案を準備していたと報じられています。
しかし…
🧾 アメリカ政府が新たな関税発表
🧧 中国政府が「承認しない」と表明
➡️ 結果:売却交渉は一時停止
TikTokにとって、技術・資本の移転を含む国家間の複雑な政治的背景が交渉を難しくしています。

🗣️ トランプ氏の本音:「Facebookが力を持つのは好ましくない」
トランプ大統領は過去に、「TikTokを禁止すれば、“国民の敵”であるFacebookに力を与えることになる」と発言したことがあります。
TikTokはSNS業界におけるFacebookやInstagramの強力なライバルであり、競争を維持する存在としても重要視されている側面があるようです。
📲 アメリカ国内のTikTok利用者への影響
- 🚫 いったんはアプリストアから削除され、サービス提供も停止
- ✅ その後、大統領令で再開され、現在は利用可能状態
- 📱 一部ユーザーはAPKファイルでの直接配布でTikTokを利用していたケースも
今後の90日間で交渉が進展しなければ、再びTikTokは米国市場からの撤退を余儀なくされる可能性があります。
✍️ TikTok禁止法の憲法違反をめぐる訴訟も進行中
TikTok側は、禁止法が「表現の自由を侵害している(違憲)」として上訴し、連邦最高裁まで争う姿勢を見せています。
また、TikTokは4月5日の禁止直前に、「TikTokはアメリカ人の救世主であり中小企業の味方」といった広告キャンペーンを展開しており、裁判だけでなく世論戦にも力を入れています。
💬 まとめ:TikTokの運命は「政治」と「交渉」の行方次第
TikTokは再三の延長を受け、アメリカでの活動を継続していますが、その未来は米中の外交・経済戦略と深く結びついています。
今後の90日で何が変わるのか──、次の動きにも注目が集まります。