任天堂が、改造Nintendo Switchを販売していた「Modded Hardware」の運営者ライアン・マイケル・デイリー氏に対して、200万ドル(約2億9500万円)の賠償金支払い命令および包括的な恒久的差し止め命令を勝ち取りました。これにより、1年以上にわたって続いてきた法廷闘争が終結しました。
👉 参考:Tom’s Hardware

⚖️ 訴訟の背景
デイリー氏は「MIG Switch」や「MIG Dumper」といったツールを販売し、正規のNintendo Switchで海賊版ゲームを起動できるようにする仕組みを提供していました。
- 2024年3月:任天堂が「無許可でのデバイス販売を中止せよ」と通告
- 当初は販売停止に同意 → その後撤回
- 任天堂が訴訟を提起
デイリー氏は弁護士を雇わず、自ら法廷で弁護しましたが、最終的に任天堂側の主張を認める形で判決に同意しました。

🔧 問題となったツールの実態
一見すると「合法的なバックアップ用ツール」と宣伝されていたMIG Dumperですが、任天堂の訴状では「著作権侵害を可能にするデバイス」と明確に位置付けられました。
「これらのツールは、任天堂の技術的保護を回避し、著作権を侵害すること以外に商業的な用途が存在しない」
と裁判所も認定しています。

🏛️ 判決の内容
2025年9月5日、ワシントン州西部地区連邦地方裁判所は以下の判決を下しました。
- 💰 200万ドル(約3億円)の賠償金支払い
- 🚫 Nintendo Switch関連システムのリバースエンジニアリングを永久禁止
- 🚫 チュートリアルや技術回避資料の公開・リンクを永久禁止
- 🖥️ 任天堂はModded Hardwareのサイト接収権を獲得
- 📦 デイリー氏は在庫ハードウェアを任天堂に引き渡す義務
さらに、All Writs Act が発動され、ウェブホストやドメインレジストラといった第三者にも閉鎖協力が強制されました。

⛔ 任天堂の徹底した「改造業者」対策
任天堂が改造業者を訴えるのは今回が初めてではありません。
- 2021年:改造チップを配布していた**Team-Xecuterのハッカー「ゲイリー・バウザー(通称クッパ)」**が訴えられ、13億円超の賠償金命令を受けました。
👉 参考記事:刑務所から釈放された「クッパ」が任天堂に巨額支払い
このように、任天堂は世界規模で「不正改造・海賊版利用」に対して厳格に対処しており、今回のデイリー氏への判決もその延長線上にあります。

📌 今回の判決が意味するもの
- 改造ツール販売者は、「個人運営」でも巨額の賠償を命じられるリスクがある
- 任天堂はオンライン・オフラインを問わず、不正改造に強硬姿勢を取っている
- 今後も同様のケースでは、裁判所が任天堂の主張を支持する可能性が高い
🔑 まとめ
- 任天堂が改造Switch販売業者に約3億円の賠償命令+恒久的な禁止命令を獲得
- 問題のツールは「合法的バックアップ」と宣伝されつつ、実態は著作権侵害のための装置
- 任天堂は引き続き「不正改造・海賊版対策」を徹底する構え
🎮 「改造は自己責任」では済まされない時代に突入しており、任天堂の姿勢は今後のゲーム業界全体に強い影響を与えそうです。

