約3分の2のネコが左側を下にして眠る理由に、驚きの“生存戦略”が関係していた?
ネコはまるくなって眠る姿が可愛らしいですが、その**「寝る向き」に意味があるとしたら……?
国際的な研究チームがYouTube上の動画を分析したところ、およそ3分の2のネコが「左側を下」にして眠っているという傾向が明らかになりました。
単なる偶然ではなく、これは脳の働きと生存戦略に関係している可能性**があるというのです。

🔬 研究の概要:YouTube動画408本を対象に解析
この研究は、イタリア・ドイツ・カナダ・スイス・トルコの共同チームによって実施され、2025年6月に『Current Biology』誌で発表されました。
🧪 調査のポイント:
- 対象は408本のオリジナル動画(10秒以上、ネコ1匹が全身映っているもの)
- ネコの**寝る向き(左向き/右向き)**を記録・分類
- 編集された動画や複数のネコが映るものは除外
その結果、ネコの**約66%が「左側を地面につける姿勢(左巻き)」**で寝ていることが判明しました。

🧠 なぜ左向きなのか?脳の「非対称性」がカギ
研究チームによると、これは偶然ではなく**脳の左右差(ラテラリティ)**と深く関係しているとのこと。
✅ 左側を下にして寝ることで得られるメリット:
- 起きたときに左視野で周囲を確認 → 情報処理は右脳で行われる
- 右脳は空間認識・危険察知・逃走反応に優れる
- つまり、左巻きで寝ることで「すぐ逃げられる」準備が整っている
これは、ネコが野生で培ってきた捕食動物からの生存戦略に基づいている可能性があります。

体の右側を下に寝るネコ

😺 ねこにとって「寝姿」も命がけ?
ネコは1日に12〜16時間以上眠る動物です。
この長時間の睡眠中、少しでも身を守る必要があるため、体の向き=防衛的な姿勢と見ることができるのです。
オヌール・ギュンテュルキュン教授(ドイツ・ルール大学)はこう語っています:
「脳の半球ごとの特化機能により、行動に偏り(非対称性)が生まれることは、むしろ進化的に“有利”である可能性があります。」
つまり、**ネコが左側を下にして寝るのは、脳の構造に支えられた“合理的な選択”**かもしれません。

📚 関連研究・豆知識
- 🧪 ネコは「液体」? → 流体としての性質を持つとしたユニークな論文も
- 🐾 言葉の識別能力 → 飼い主の声と他人の声を聞き分ける能力がある
- 🚪 閉じたドアが苦手? → 閉じられた空間に強いストレスを感じる傾向がある
✨ まとめ:ネコの寝姿には「脳と進化の知恵」が詰まっている
一見かわいいだけに見えるネコの寝姿も、実は**進化と脳科学の観点から見ると“合理的な戦略”**であることが明らかになりました。
私たちが毎日見ているペットの姿には、数千年の進化の知恵が息づいているのかもしれません。