そしてなぜイスラエルと米国は執拗に破壊を狙ったのか
2025年6月21日──トランプ米大統領は、イスラエル‐イラン紛争への直接介入としてイラン国内の3大核施設(ナタンズ/イスファハン/フォルドゥ)を空爆したと電撃発表しました。
中でも世界が注目したのが、イラン山岳地帯に“要塞化”された フォルドゥ(Fordow)核施設 です。本稿では
- フォルドゥとはどんな施設か?
- イスラエルだけでは破壊できない理由
- 米国製“バンカーバスター”GBU‑57が投入された背景
を整理します。🧩

1️⃣ フォルドゥ核施設 ― “山が守る”地下90 mの濃縮拠点
項目 | 内容 |
---|---|
📍 位置 | イラン中西部ゴム州・標高約900 mの山岳地帯 |
🏗️ 構造 | 5本の山腹トンネル+地下ホール(地下約80‑90 m) |
🔬 役割 | 高濃縮ウラン(最大83.7%) を遠心分離機で生産 |
🛡️ 防御 | 厚い岩盤+地形遮蔽 → 通常爆弾・巡航ミサイルは無効 |
☢️ IAEA(国際原子力機関)は「核爆弾級 90%濃度に最も近い施設」と警告。

トランプ大統領が攻撃したと主張しているのが、イランの3つの主要核施設、ナタンズ、イスファハン、フォルドゥです。
2️⃣ なぜイスラエルは単独で叩けなかったのか?
✈️ イスラエル空軍の限界
- F‑35IやF‑15Iが保有する地中貫通兵器は貫入深度20‑30 m級
- 80 m超の岩盤は突破できず「穴は開くが心臓部に届かない」
🇺🇸 のみが保有する“切り札”
- GBU‑57/B「マッシブ・オーデナンス・ペネトレーター」
- 全長6 m / 重量約13 t
- 鉄筋コンクリート60 m or 岩盤約40 m貫通して起爆
- 投下プラットフォームはB‑2 ステルス爆撃機しかない
つまり 「B‑2+GBU‑57」のセットこそ唯一の突破手段。イスラエルは米国に協力を求めざるを得なかった。

3️⃣ 2025年6月21日:史上初のGBU‑57実戦投入
投下兵器 | 数量 | 目標 |
---|---|---|
GBU‑57/B | 6発 | フォルドゥ施設 |
トマホーク Block V | 30発 | ナタンズ・イスファハンなど |
🛩️ B‑2が深夜にイラク空域から侵入し、フォルドゥ上空で投下したと報道。
📈 成果は?
- 米政府「施設を完全破壊」
- IAEA「重大損害は必至」
- CNN調査「ウランは事前搬出。遠心分離機はほぼ無傷で“数か月遅延”程度」
🔎 なぜ限定的?
- バンカーバスターでも深度ギリギリで破片エネルギーが拡散し切れず
- イランが機器を前もって移設した可能性
- そもそも地下145 m級の次世代施設が報告されており“モグラたたき”状態

4️⃣ 地政学的インパクト
当事者 | 公式コメント |
---|---|
🇮🇱 ネタニヤフ首相 | 「米国の圧倒的かつ正義の力が歴史を変える」 |
🇺🇸 トランプ大統領 | 「イスラエルへの脅威を排除する大きな進展」 |
🇮🇷 外務省 | 「卑劣な侵略行為。報復は不可避」 |
🌍 “地下深度競争” は新段階へ。イスラエルの「次の標的」はさらに深い新施設か?

🗺️ まとめ:フォルドゥが象徴する“地下核施設 vs バンカーバスター”時代
- フォルドゥ=イラン核計画の中枢
- イスラエル単独では破壊困難 → 米国のGBU‑57が鍵
- 実戦投入は史上初だが、実際の足止め効果は数か月との指摘
- イランはさらに深い施設建設で対抗、軍拡スパイラルの恐れ
⏳ 「どこまで深く潜るか」vs「どこまで深く貫くか」——地下核施設と超バンカーバスターのイタチごっこは続く。