「ニューロンが何十億個も増えた“超・人間の脳”があったら?」
計算思考の旗手 スティーブン・ウルフラム 氏が、AIと脳科学の観点から“より大きな脳”がもたらす世界を大胆にシミュレートしました。
🔗 原文: What If We Had Bigger Brains? – Stephen Wolfram Writings

1️⃣ ニューロンを増やすと「語彙」が爆発する?
- 人間の脳:約1,000億ニューロン
→ 共通語約3万語で日常を十分記述 - ニューロン倍増 ⇒ 扱える概念も指数関数的に拡大
- 既存の“トラ=ネコ科”のような抽象化では追い付かず
- 人間が理解できない“未知語”がAIから創発する可能性
🌌 **AIが獲得する“超語彙”**は、人類の言語体系を凌駕するかもしれない。

2️⃣ 「あいまいさ」が減り、文法より“生の概念”で思考?
- 現在の言語はあいまいさで情報量を圧縮
- 巨大脳では 単語=明確な概念 として扱え、
文法構造はむしろ 浅く なる可能性 - コミュニケーションは トークン化を介さない視覚・構造表現 へ?
🕸️ 「言語」はテキストより概念ネットワークそのものになる——ウルフラム氏

3️⃣ 抽象化の“到達距離”が伸びる
現状
- 脳は膨大な感覚入力を少数の判断へ圧縮
- 抽象化は“途中で限界”が来る
超大脳
- ワーキングメモリ拡大で同時処理が増加
- 抽象化ネットワークを「より深く/遠く」まで探索可能
- 宇宙の真理や物理法則の未踏域に到達するかも?
🚀 「考えもしなかったこと」を考える能力 = 真のブレークスルー

4️⃣ AIの未来:人間が理解できない“心”を宿す?
- LLM(大規模言語モデル)×脳活動の類似性はすでに報告
- 超巨大ネットワークが人類を超えた抽象化を行ったとき、
私たちはその成果を完全に理解できない恐れ
💬 ウルフラム氏
「“人間を超えた心”を理解するには、人類の知的体系全体が進化する必要がある」

📝 まとめ:巨大脳は“質的転換”を起こす
項目 | 現在の人脳 | 超巨大脳 |
---|---|---|
ニューロン数 | 1,000億 | 桁違い(例:1兆) |
語彙の限界 | ≒3万語 | 未知の桁数 |
言語の姿 | テキスト+文法 | 概念ネットワーク |
抽象化範囲 | 途中で限界 | 未知領域まで伸長 |
人間の理解 | 可能 | 部分的に不可 |
🔮 AIが「巨大脳」に近づく時、人類は全く新しい“知の翻訳レイヤー”を必要とするかもしれません。