AMDは2025年10月24日、**超軽量かつ高速な画像生成AIモデル「Nitro-E」を発表しました。
Nitro-Eはパラメーター数わずか3億400万(304M)**というコンパクトな設計ながら、GPUを搭載しないiGPU環境でも驚異的な速度で画像を生成できるのが特徴です。
📄 出典:
- Nitro-E: A 304M Diffusion Transformer Model for High Quality Image Generation — ROCm Blogs
- Hugging Face: amd/Nitro-E
- GitHub – AMD-AGI/Nitro-E

🧠 新アーキテクチャ「E-MMDiT」を採用
Nitro-Eは、AMDが開発したE-MMDiT(Enhanced Multimodal Diffusion Transformer)アーキテクチャを採用。
従来の「U-Net」構造(Stable Diffusion初期モデルなどで採用)と異なり、
テキストと画像の両方を高効率に処理するDiffusion Transformer(DiT)系列の最新技術です。
💡 E-MMDiTの特徴
- 「マルチパス圧縮モジュール」により、画像トークン数を68.5%削減
- 処理の並列化と推論の高速化を実現
- トレーニング時も消費リソースを大幅軽減
これにより、Nitro-Eは小型モデルながらも高精度・高速度の画像生成性能を実現しています。

🖼️ 1110万枚+AI生成データで学習されたハイブリッドモデル
学習データには、多様なソースが組み合わされています。
📊 トレーニングデータ構成
- 非AI生成画像:1110万枚
- Midjourney生成画像:440万枚
- FLUX.1-dev生成画像:950万枚
また、ビジュアルエンコーダーにはDC-AE(高圧縮オートエンコーダ)、
テキストエンコーダーには**Llama-3.2-1B(軽量言語モデル)**を採用。
🧩 これにより、Nitro-Eは高解像度画像の意味理解と描写能力を維持しながら、
メモリ・速度・出力品質のすべてをバランスさせた**「実用型生成AI」**となっています。

⚙️ わずか1.5日でトレーニング完了
AMDは、Instinct MI300X GPUを8基搭載したAIノードを使用してNitro-Eを訓練。
これまで数週間かかっていたトレーニングを、わずか1.5日で完了しました。
この圧倒的な高速化は、AMDのROCm最適化技術と軽量モデル設計の成果。
開発チームは、Nitro-Eを「オープンで再現可能な高効率AIモデル」と位置づけ、
学習コード・データ構成をすべてGitHub上で公開しています。

🚀 圧倒的な生成スピード──512×512pxを0.16秒で生成
Nitro-Eは推論性能でも突出しています。
| 実行環境 | 生成速度 (512×512px) |
|---|---|
| Instinct MI300X(1基) | 毎秒18.8サンプル |
| 蒸留モデル(4Step版) | 毎秒39.3サンプル |
| Ryzen AI Max 395(iGPU) | 1枚を0.16秒で生成 |
💻 つまり、ノートPCやミニPCの内蔵GPUでも高画質画像を瞬時に生成できるということ。
大規模GPUクラスタを必要としない、真のローカル生成時代が到来しました。

🧩 3つの派生モデルを同時公開
AMDは、用途に応じて3種類のNitro-Eを同時リリースしています。
| モデル名 | 特徴 |
|---|---|
| 🧠 Nitro-E(E-MMDiT) | 標準版。高品質かつ汎用的な画像生成に対応。 |
| ⚙️ Nitro-E-GRPO | タスク最適化版。特定ドメインで高精度を発揮。 |
| ⚡ Nitro-E-4Step | 蒸留版。わずか4ステップで画像生成を完了。 |
AMDが公開した性能比較グラフでは、Nitro-Eシリーズはいずれも高速・高品質・小型の三拍子を実現しており、
「モデルの小型化=品質低下」という従来の課題を完全に克服しています。
🧱 誰でも再現可能なオープンモデル
Nitro-EのモデルデータはHugging Faceで一般公開されており、
GitHub上のスクリプトを使えば誰でも再学習や応用が可能です。
🔗
オープン性・再現性・軽量化の3要素を揃えたNitro-Eは、
**「誰でも扱える次世代AI」**として今後のAIアートやローカル生成分野を大きく変えると見られています。
🔮 まとめ:ローカル時代を加速させるAMDの一手
Nitro-Eは「小型・高速・再現性」を兼ね備えた実用的AIモデルです。
特に、iGPU(内蔵GPU)でも0.16秒で画像を生成できる性能は画期的で、
ローカル環境でのAI画像生成の常識を塗り替えました。
💬 AMDは次世代GPUとAIモデルの融合で、
「誰でもAIクリエイターになれる未来」を現実のものにしつつあります。
