イギリスで2023年に成立し段階的に施行されている「オンライン安全法」。未成年のアクセスを防ぐため、ポルノサイトを含む多くのプラットフォームに対して 顔認証や銀行情報などによる年齢確認が義務付け られました。
しかし、その結果として「ルールを守ったサイトのアクセスは減少し、無視したサイトのアクセスが急増する」という逆転現象が起きています。

オンライン安全法とは? 📜
「オンライン安全法」は以下のような幅広いサービスに適用されます。
- ソーシャルメディア
- 検索エンジン
- メッセージングアプリ
- ゲームアプリ
- 出会い系サービス
- ポルノサイト
- ファイル共有サイト
2025年7月には、Pornhub・XVideos・xHamster・Bluesky・Reddit など大手サービスが年齢認証を導入しました。

年齢確認導入でアクセス激減した大手ポルノサイト 📉
データ分析サービス SimilarWeb によると、年齢確認を導入した大手ポルノサイトはイギリスからのアクセスを大幅に失いました。
- Pornhub:イギリスからのトラフィックが 47%減少
- XVideos・xHamster:同様に大幅減少
利用者は面倒な年齢確認を避け、他サイトへ流れていると見られます。

年齢確認を無視したサイトはアクセス倍増 🚀
ワシントン・ポストの調査では、大手90サイトのうち 14サイトが年齢確認を導入していない ことが確認されました。
すると…
- これら14サイトは 2024年8月から2025年8月で最大3倍近くアクセス増加
- VPNサービスの利用者数も 10倍以上に急増
「ルールを守らない方が得をする」という逆説的な状況が生まれています。
規制当局・専門家の反応 🕵️♂️
イギリスの規制当局 Ofcom は次のようにコメント。
「数千のポルノサイトを監視しており、アクセス急増や脱法行為を助長するサイトは調査対象となる」
一方、トロント大学シチズン・ラボのジョン・スコット=レールトン氏はこう指摘しています。
「規制を強めれば強めるほど、規則を無視するサイトにユーザーが流れる。これは“意図せざる結果の法則”の典型例です。」
まとめ ✍️
- 年齢確認導入 → アクセス大幅減少
- 年齢確認を無視 → アクセス3倍近くに急増
- VPN利用者も急増し、規制が逆効果に
「未成年保護」と「ユーザーの逃避行動」の板挟みで、オンライン安全法は難しい課題に直面しています。今後は 公平性のある規制の実効性 が問われることになりそうです。

