2024年夏にハシナ前首相が失脚してから1年。
かつて「アジアの成長モデル」とも呼ばれたバングラデシュは、いまや 軍とイスラム過激派の連合による無法状態 に陥っています。
民主化への希望は裏切られ、経済は崩壊の危機に直面。少数派への迫害も深刻化し、この国の未来はかつてないほど暗くなっています。

ハシナ前首相の失脚と民主化への幻想 ✊
「鉄の女」と呼ばれたハシナ前首相がインドへ亡命した際、多くの国民は「ついに民主化が訪れる」と期待しました。
- 学生の蜂起が政権崩壊を導いたように見えた
- しかし実態は 軍部とイスラム主義勢力の暗躍 によるもの
つまり、国民が抱いた希望は 最初から幻想 だったのです。
ムハマド・ユヌスの登場と西側の思惑 🏦
ハシナ失脚後、暫定政権の首席顧問となったのが ノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス。
- グラミン銀行の創設者として世界的に知られる人物
- 彼の登場は「改革と民主化」の象徴と受け止められた
しかし現実は違いました。
ユヌスの起用には 西側諸国の政治的思惑 が絡んでおり、民主化は一向に進まず、選挙は延期を繰り返しました。
大規模な粛清と言論の封殺 🚫
暫定政権がまず行ったのは 粛清と弾圧 でした。
- 最高裁長官と判事を追放
- アワミ連盟(国内最古の政党)を全面禁止
- 弁護士・学者・ジャーナリスト・アーティストらを大量拘束
- 今年2月以降だけで1万人以上が収監
さらに 超法規的殺人・拷問 が常態化。
バングラデシュは「民主化」どころか、恐怖による統治が進んでいます。
イスラム過激派の復権と少数派への迫害 ⚔️
最も危険なのは、イスラム過激派の復活です。
- テロ組織の活動禁止が撤回
- 指導者が釈放され、政府の要職に就任
- 暴徒が敵と見なした人々を支配
被害を受けているのは…
- 仏教徒、キリスト教徒、ヒンドゥー教徒
- 先住民、そして「異端」とされたイスラム宗派の人々
- 女性たちは「服装が慎み深くない」という理由で暴行を受ける
これらは 国家による黙認 のもとで行われています。
崩壊する経済と社会不安 📉
さらにバングラデシュ経済は急速に崩壊。
- 成長率が急落
- 対外債務が拡大
- インフレは12年ぶりの高水準
- 株式市場は5年ぶりの低迷
- 失業増加 → 若者の過激化を加速
かつて「成長する南アジアの希望」とされた国が、いまや パキスタン型の軍事支配国家 へと堕ちつつあります。
インドとアメリカ、そして国際社会の対応 🌏
バングラデシュと三方で国境を接するインドは、すぐに危機を察知しました。
数百万規模の移民流入の可能性は、地域安定を揺るがすからです。
一方、アメリカは ユヌス政権を支持。
しかしこのままでは、アメリカ主導の「自由で開かれたインド太平洋戦略」に深刻な影響を与えるでしょう。
まとめ:国際社会に求められる行動 🚨
かつてバングラデシュは、イスラム多数派国家でも 世俗民主主義が可能であることを示す希望のモデル でした。
しかし今、国は無法と暴力に飲み込まれています。
- 民主主義の崩壊
- 少数派の迫害
- 経済の崩壊
- 国際秩序への脅威
もし国際社会が「民主主義」「信教の自由」「地域安定」を守る意思を持つなら、バングラデシュの転落を見過ごしてはなりません。