2025年4月、ドナルド・トランプ前大統領は「相互関税(reciprocal tariffs)」を含む新たな輸入関税政策を発表しました。これにより、アメリカ人の食費に大きな変化が起きる可能性が浮上しています。
今回は、この「相互関税」がどのように食品価格に影響するのかを、最新のデータと共に詳しく解説します。

🧾トランプ氏の「相互関税」とは?
トランプ氏は次のように発言しました:
「我が国に対して他国が何をするかに応じて、我が国も同じことを返す。これが相互関税だ。これほど単純な話はない」
この「相互関税」では、全輸入品に一律10%の関税をかけた上で、貿易相手国ごとの関税や障壁に応じて追加関税を上乗せします。たとえば、日本からの輸入品には**最大24%**の関税が課されることになります。

🍎食費への影響:全体で最大2.8%アップ
イェール大学予算研究所の分析によれば:
- 生鮮食品価格は4%上昇
- 食品全体の価格は2.8%上昇
さらに、輸入に強く依存している**特定の食品(コーヒー、エビ、牛肉など)**では、これ以上の価格上昇が予測されています。

☕コーヒー:日常の一杯が贅沢品に?
- アメリカでは成人の70%以上が毎週コーヒーを飲んでいます。
- しかし、コーヒー豆の99%を輸入に依存(主にブラジル、コロンビアなど)。
- 今回の関税により、輸入コーヒーに10~最大数十%の関税が課せられ、価格上昇は避けられません。
☕朝の一杯が「高級嗜好品」になる日も近いかもしれません。

🦐エビ:日本食ブームの裏で打撃
- アメリカ国内で流通するエビの94%以上はエクアドル、インド、ベトナムなどからの輸入。
- これまで関税ゼロだったが、今後は最大46%の関税に。
公共政策シンクタンク「Progressive Policy Institute」の貿易ディレクター、エド・グレッサー氏は:
「魚介類、特にエビは今回の関税政策によって最も打撃を受ける品目です」
一方で、アメリカのエビ業界団体「Southern Shrimp Alliance」のジョン・ウィリアムズ氏はこの動きを支持:
「倫理的な国内生産を守るため、今回の政策は意義がある」
🇺🇸 アメリカのエビ業者を守る一方で、消費者の食卓には確実に影響が及びます。
🍔ハンバーガー:国民食も値上げの波へ
アメリカのハンバーガー文化にも暗雲が。
- アメリカのファストフードチェーンは、脂肪分の少ないオーストラリア産牛肉と自国産の肉を混ぜることで理想的なパティを作ってきました。
- 今回の関税により、このオーストラリア産牛肉の価格が上昇。
🇦🇺 オーストラリアの農家:「この関税はコスト増としてアメリカの消費者に転嫁される」
🧀 オーストラリア政府:「マクドナルドのチーズバーガーやビッグマックの価格上昇は避けられない」
※マクドナルド本社は現時点でコメントを出していません。
🏛️関税政策の是非:雇用か?価格か?
一方、トランプ政権のこの動きを評価する声もあります。
Southern Shrimp Allianceの報告によれば:
- 2021年以降、輸入エビの価格が大幅下落し、米国内エビ業界は市場価値の50%近くを喪失
- 多くの米国業者が廃業に追い込まれた
「国内産業の保護」「倫理的な食料生産」という観点からは、今回の政策は一定の意義を持ちます。
しかし、短期的には一般消費者の生活コストが上昇するリスクが明らかになっています。
🧠まとめ:日常の食卓に影響が出る日も近い?
食品 | 輸入依存度 | 想定される影響 |
---|---|---|
コーヒー | 99% | 日常のコーヒーが高級嗜好品に |
エビ | 94% | 魚介類の価格上昇、国内産業の支援 |
牛肉(豪州) | 高い | ハンバーガーの価格が値上がり可能性大 |
アメリカの食文化に深く関わるこれらの食材の変動は、消費者にとって無視できない問題です。