[2021年の話題] Cloudflareが著作権侵害訴訟で勝訴―「寄与侵害の責任なし」との判決

[2021年の話題] Cloudflareが著作権侵害訴訟で勝訴―「寄与侵害の責任なし」との判決 #WEB・プログラム・SEO
[2021年の話題] Cloudflareが著作権侵害訴訟で勝訴―「寄与侵害の責任なし」との判決

2021年10月6日、アメリカのカリフォルニア北部地区連邦地方裁判所は、インターネットインフラ企業Cloudflareに対する著作権侵害の寄与を巡る訴訟で、Cloudflare側の主張を認め、著作権侵害の責任を負わないとの判決を下しました。この訴訟は、2018年にドレスメーカーのMon Cheri BridalsとMaggie Sottero Designsが、Cloudflareが違法コピーを販売するウェブサイトに対して適切な対応を取らず、著作権侵害をほう助していると主張して提訴したものです。

原告側は、365件以上の著作権侵害ウェブサイトに対し数千件の削除申請を送っていたが、Cloudflareが対応しなかったと主張しました。一方、Cloudflareは「自社はホスティングプロバイダーではなく、著作権侵害コンテンツを削除する権限がない」と反論し、裁判所に略式判決を求めました。

最終的に、裁判所は「Cloudflareが著作権侵害に実質的に貢献しているとは言えない」として、Cloudflare側に有利な判決を下しました。また、判事は「著作権侵害者にインターネットサービスを提供すること自体は重大な寄与には当たらない」とも述べています。

Cloudflareは、この判決を受け、引き続きサービスの提供を通じてインターネットの安全性と信頼性を高める取り組みを進めるとコメントしています。

Cloudflareとは?インターネットのセキュリティとパフォーマンス向上を支える企業

[2021年の話題] Cloudflareが著作権侵害訴訟で勝訴―「寄与侵害の責任なし」との判決
[2021年の話題] Cloudflareが著作権侵害訴訟で勝訴―「寄与侵害の責任なし」との判決

Web summit

Cloudflareは、インターネットインフラを提供するアメリカの企業で、主にウェブサイトのセキュリティやパフォーマンスの向上を目的としたサービスを提供しています。2009年に設立され、世界中に広がるデータセンターネットワークを通じて、ウェブサイトのコンテンツ配信速度を最適化するCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)や、DDoS攻撃からの防御、SSL/TLS暗号化などを行うセキュリティサービスを提供しています。

Cloudflareの特徴は、世界中のインターネットトラフィックの大部分を処理する規模の広範なネットワークを持ち、個人のブロガーから大企業まで幅広い顧客に利用されています。特に、**Webアプリケーションファイアウォール(WAF)**や、DNSサービスを通じて、ユーザーのサイトの保護とパフォーマンスの最適化を行い、インターネット全体のセキュリティと信頼性を向上させることに貢献しています。

また、CloudflareはZero Trustセキュリティエッジコンピューティングといった最新のインターネット技術にも力を入れており、デジタル化が進む中で、安全で高速なインターネット環境を提供する企業としての地位を確立しています。

なぜcloudflareは著作権侵害で訴えられたのか?

Cloudflareは、著作権侵害を行っているとされるウェブサイトに対して適切な対応を取らなかったとして訴えられました。具体的には、ドレスメーカーのMon Cheri BridalsとMaggie Sottero Designsが2018年に提訴し、「Cloudflareが著作権侵害を助長しているウェブサイトをブロックしなかったため、著作権侵害の寄与責任がある」と主張しました。

この訴訟の背景には、違法なコピー品を販売しているサイトが、ドレスメーカーの写真を無断使用して販売していたという問題がありました。メーカー側は、Cloudflareに対して数千件もの削除申請を送りましたが、Cloudflareがこれに応じなかったと主張しました。違法サイトが削除されてもすぐに新しいサイトが現れるため、「いたちごっこ」の状態が続いていたとも言われています。

Cloudflareはホスティングプロバイダーではなく、違法コンテンツの削除に直接関与する役割を持たないと主張し、最終的に裁判所もこの主張を認めました。結果として、Cloudflareは著作権侵害の寄与責任を問われることはありませんでしたが、この訴訟は、インターネットサービスプロバイダーの責任範囲に関する重要な議論を引き起こしました。

過去には違法漫画サイト「漫画村」も?

漫画村は日本で非常に人気があった違法な海賊版漫画サイトで、正規の許可を得ずに多くの漫画を無料で公開していたため、著作権侵害で問題視されていました。漫画村は、著作権侵害によって多くの出版社や著作者に経済的な損害を与えたことで、日本国内外で大きな批判を受けていました。

Cloudflareは、インターネットインフラサービスを提供している企業であるため、漫画村のようなサイトにもCDNサービスを提供していたとされています。CloudflareのCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、ウェブサイトのコンテンツを高速かつ効率的に配信する技術ですが、漫画村のような違法サイトにも適用されることがありました。

このため、Cloudflareが漫画村の運営を助長しているのではないかという批判が一部で起こりました。しかし、Cloudflareは自社がウェブサイトのホスティングを行っているわけではなく、著作権侵害をしているコンテンツを削除する権限や責任はないと主張しており、実際に漫画村に対する法的責任を問われることはありませんでした。

最終的に、2018年に日本政府や出版社の取り組みにより、漫画村は閉鎖されました。しかし、この事件を通じて、インターネットインフラ企業の役割や責任、特に著作権侵害に対する対応について議論が広がりました。Cloudflareのような企業がどこまで責任を負うべきかについては、現在もさまざまな法的、倫理的な問題が議論されています。

まとめ

過去に話題なったCloudflareの著作権関連の問題について取り上げました。

助長しているわけではなく、あくまでも、質の高いサービスを提供しているという主張だったようです。

これからもインターネットの成長に伴って似たような問題が発生するかもしれません。

もしかしたらまだ、インターネット周りの法律は十分整備されきってないのかもしれません。

違法サイトをみることなく、正規のルートでコンテンツを楽しむことが大切だと分かりますね。

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