アメリカの一部地域で、Googleアカウントにログインしたユーザーに対し、
運転免許証・政府発行ID・クレジットカード・自撮り などを使った
強制的な年齢確認 が始まったことが明らかになりました。
背景には、2025年11月にミズーリ州で施行された
未成年保護を目的とした厳格な年齢確認法 と、
それに連動する Apple・GoogleへのデジタルID提供義務 があります。
この記事では、この大きな変化がなぜ起きているのか、
そして今後どのような影響が世界に広がるのかを詳しく解説します。

🏛 ミズーリ州の「年齢確認義務法」とは?
2025年11月30日、ミズーリ州で以下のルールが施行されました:
- “未成年に有害とみなされるコンテンツ” が 全体の1/3以上 を占めるサイト・アプリは
ユーザーが18歳以上であることを“信頼できる方法”で確認 しなければならない - 運営者が従わない場合は 罰金・差止め命令 の対象に
- 「信頼できる方法」には、
- 政府発行IDのアップロード
- クレジットカードでの年齢確認
- 第三者認証サービス
などが含まれる
特に注目されたのは、
AppleやGoogleなど大手OS提供企業にも義務を課した点 です。

🆔 Apple・Googleに課された「デジタルIDツール提供義務」
ミズーリ州法の特徴は次の部分です👇
「米国内に1,000万人以上のユーザーを持つOS提供者は、
サービス事業者が利用できる年齢確認のための デジタル識別システム を提供すること」
これにより、
- Apple → Apple Wallet にデジタルID機能
- Google → Google Wallet に年齢確認に利用できるID機能
という形で、
“スマホOSレベル”での本人確認インフラを整備せよ
という圧力が強まりました。
Googleが年齢確認を一部ユーザーに対し強制したのは、
こうした法律に迅速に対応するためと考えられています。

📸 Googleが導入した「強制年齢確認」の実態
アメリカのユーザーからは、以下のような年齢確認画面の報告が相次いでいます:
- 免許証やパスポートによる本人確認
- クレジットカード情報
- 自撮りによる顔認識(AI判定)
特に自撮り認証はプライバシーリスクへの懸念が大きく、
「Googleに顔データを預けることへの抵抗感」もSNS上で話題となっています。
🚫 Pornhubなどアダルト大手が“州ごとブロック”へ
新しい年齢確認法に強く反発したのが、
Pornhubなどを運営する大手企業 Aylo です。
Ayloは、
- ミズーリ州
- テキサス州
- ユタ州
- ルイジアナ州
など、同様の法律が施行された州へのアクセスを
丸ごと遮断する という対応を取りました。
理由は以下の通り:
- 大量の個人情報を扱うリスクが高すぎる
- システム構築コストが巨大
- 情報漏えいが起きた際のダメージが致命的
つまり、
「安全に年齢確認を運営するコスト > 州から得られる収益」
という判断です。
🌍 アメリカ全体で“オンライン本人確認”が急拡大中
ミズーリ州だけでなく、
アメリカでは 25以上の州 が年齢確認義務法を検討・導入しています。
また、2025年には
米連邦最高裁がテキサス州のポルノ年齢確認法を支持 したことで、
規制強化の流れが一層強まりました。
国レベルでも法案が提出されており、
「全米で統一的な年齢確認を導入する」 可能性が現実味を帯びています。
🇬🇧 イギリス・EUでも同じ動きが拡大中
イギリスでは「オンライン安全法(Online Safety Act)」により
アダルトサイトの年齢確認が義務化されました。
結果として:
- VPN利用者が 1400%増加
- 未成年保護は進んだものの、
成人ユーザーのプライバシーや表現の自由の問題が拡大
EUも「未成年保護」を理由に、
SNS・動画サービスに対する認証強化を進めており、
“年齢確認の国際標準化” が一歩ずつ進んでいる状況です。
⚖️ 年齢確認のメリットとリスク
✅ メリット
- 未成年が有害コンテンツにアクセスしづらくなる
- 本人確認手続きがスマホ上で一元化され便利に
- 不正アクセス対策にも応用可能
⚠️ デメリット
- プラットフォーム(Apple/Google)への情報集中
- 政府・企業による監視拡大の可能性
- 身分証データの漏えいリスク
- 規制回避目的でVPN利用が増え、かえって危険なサイトへ誘導される課題
🇯🇵 日本への影響は?今後どうなる?
日本では現在、
アメリカのように強制的なデジタルIDによる年齢確認は求められていません。
しかし:
- スマホ利用の低年齢化
- SNS上の危険コンテンツ問題
- マイナンバーの“デジタルID化”に関する議論
などを踏まえると、
将来的には 日本でもオンライン本人確認の標準化 が進む可能性があります。
その際、
- どの企業がデータを管理するのか
- どの範囲まで情報を提出すべきなのか
- 削除依頼は可能か
といった点が重要な論点になるでしょう。
📝 まとめ:Googleの年齢確認開始は“世界の潮流”の一部にすぎない
- ミズーリ州などの法律により、
Googleが強制年齢確認を開始したのは必然 - ポルノサイトは州ごとブロックするなど、各社の対応は分かれる
- アメリカ・イギリスを中心に
年齢確認義務化・デジタルID化は急速に拡大中 - ユーザーは利便性とプライバシーのどちらを取るのか
という選択を迫られる時代になりつつある
今後は、世界的な法規制の動きと企業の対応を注視する必要があります。
📚 参考・出典
以下は記事の元情報・参考資料です:
- TechRadar「Apple, Google required to provide digital ID tools under Missouri age verification law」
- Gigazine:「Googleがついに強制的に年齢確認を開始」
- Gigazine:Pornhubがテキサス州・ユタ州・ミズーリ州からのアクセスを遮断した事例
- イギリス Online Safety Act に関する各種報道
- アメリカ州法・連邦最高裁判断に関する国内外メディア報道
- EUのデジタルサービス規制関連資料
