アメリカ司法省は2025年10月23日、全米で違法ポーカーゲームを仕組んだとして、NBAのヘッドコーチや元選手、複数のマフィア組織のメンバーら合計31名を起訴しました。
被害額は少なくとも**700万ドル(約10億5千万円)**に達し、事件の中核には驚くべきハイテクな不正手口が隠されていました。
特に注目されたのが、カジノ業界標準の自動カードシャッフルマシン**「DeckMate」**のハッキングです。正規カジノにも導入されるこの機器が改造され、「全プレイヤーの手札を読み取る」という前代未聞の不正に悪用されていたのです。

🃏業界標準のシャッフルマシン「DeckMate」が狙われた理由
DeckMateは2002年の導入以来、ポーカー界の信頼性を支えてきたプロ仕様の自動シャッフラー。
World Series of Pokerでも採用されるなど、カジノでの使用率が非常に高い機器です。
しかし今回の事件では、以下のような“不正改造”が施されていました。
- 🔻デッキ内の全カードをスキャンして読み取る
- 🔻配布順をコントロールし、誰が勝つか事前に決定
- 🔻読み取った情報を犯行メンバーに送信
結果、プレイヤーたちは完全に操られ、知らぬ間に大金を失っていきました。
メーカーは「合法カジノのセキュリティではハッキングは不可能」と説明。
つまり、非合法の裏カジノでのみ可能な犯行だったと推測されています。

📡情報伝達は「携帯電話」&「秘密の合図」で巧妙に共有
DeckMateから抽出されたデータは犯行メンバーのスマートフォンに送られ、そこからテーブルに座る共犯者へと伝達。
さらに、
- ✅チップに特定の触り方をする
- ✅テーブル上のアイテムを動かす
- ✅決められたジェスチャーで伝達
など、映画さながらの暗号的な合図で情報が共有されていたことが判明しています。

🎥その他の不正装置:X線テーブルや特殊コンタクトレンズも使用
DeckMate以外にも、驚くべきハイテク機器が暗躍していました。
- ✅チップトレイ・アナライザー
隠しカメラでカードを密かに読み取る - ✅X線テーブル
伏せられたカードをスキャン可能 - ✅特殊コンタクトレンズ/眼鏡
事前にマークしたカードを確認可能
これらのツールは完全な“イカサマ総合軍”であり、素人では絶対に探知できないレベルの精巧な仕組みでした。
🔫支払い拒否には暴力──4つのマフィア組織が関与
この事件には、ニューヨークエリアで裏カジノを運営していた4つのマフィア組織が関わっていたと警察が発表しています。
支払いを拒否した被害者に対して、
- 脅迫
- 威嚇
- 暴力
が行われていたとされ、単なる詐欺事件ではなく、組織犯罪としての色合いが極めて強い事件でした。
🏀NBAコーチ&元選手も逮捕──被害者を誘い込む「顔役」として利用
起訴された31名の中には、驚くべき著名人も含まれています。
- ポートランド・トレイルブレイザーズのヘッドコーチ
チャウンシー・ビラップス氏 - 元NBA選手
デイモン・ジョーンズ氏(元キャバリアーズ/ヒート)
彼らはゲームに参加し、有名人としての知名度を利用して被害者を高額ゲームへ誘い込む「顔役」として機能していたと検察は主張。
ビラップス氏は10月22日に逮捕され、翌日に釈放されています。
🕵️♂️FBI:資金の流れを追い「30名超」を一斉摘発
FBIのカシュ・パテル長官は声明の中で、以下のように述べています。
「被告らはテクノロジーと詐欺を駆使して被害者から数百万ドルを奪い、
その資金をコーサ・ノストラに流していた。」
「9つの州にまたがる大規模捜査となったが、
FBIは資金の流れを追う取り組みを決して止めない。」
今回の一斉摘発により、違法ギャンブルネットワークの一端がようやく明るみに出た形となりました。
✅まとめ:ハイテク詐欺の進化は現実の脅威へ
- DeckMateをハッキングし手札を完全掌握
- X線テーブルや隠しカメラなど多重的な不正技術
- マフィア組織とNBA関係者が連携
- 被害者には暴力的な脅しも
- 被害額は約10億円以上
カジノ業界の信頼性を揺るがす不正は、今後もセキュリティ強化のきっかけになると見られています。
