💬性的嗜好や「嫌いなこと」を伝えると関係はどう変わる?新研究が明らかにした“正直さ”の功罪

💬性的嗜好や「嫌いなこと」を伝えると関係はどう変わる?新研究が明らかにした“正直さ”の功罪 #news
誰にでも「性的に好きなこと」や「避けたいこと(嫌いなこと)」があります。 恋人やパートナーと健全な関係を築く上で、こうした性的嗜好(しこう)を共有することは重要とされていますが、

誰にでも「性的に好きなこと」や「避けたいこと(嫌いなこと)」があります。
恋人やパートナーと健全な関係を築く上で、こうした性的嗜好(しこう)を共有することは重要とされていますが、
実は「好きなこと」と「嫌いなこと」を伝えることでは、関係に及ぼす影響がまったく異なる可能性があるのです。

中国で行われた最新研究では、性的自己開示の内容の違いが、
パートナーとの親密さや性的満足度にどのような影響を与えるのかが明らかになりました。

👉 原論文:Getting What You Want – Journal of Sex Research
👉 解説:PsyPost – New study sheds light on how sexual self-disclosure relates to relationship quality

❤️性的自己開示とは?「好き」と「嫌い」で違う心理的インパクト

これまでの心理学研究では、
「自分の性的嗜好をパートナーに伝える=良好な関係を育む行為」とされてきました。

性的自己開示は以下のような効果をもたらすとされています👇

  • 性的満足度の向上
  • 関係満足度の上昇
  • 感情的な親密さの強化

しかし多くの研究は、「性的自己開示」をひとまとめに扱っており、
実際には「好きなこと(肯定的開示)」と「嫌いなこと(否定的開示)」が同じ効果を持つのかは十分に検証されていませんでした。

人間関係において、否定的な発言は相手に防衛的反応を起こさせやすく、
ときに「拒絶」や「批判」として受け取られてしまうことがあります。
性的関係でも同様に、「嫌いなこと」を伝える行為は、関係に微妙な緊張を生むリスクがあるのです。

🧠中国・華東師範大学の研究が示した“開示の質”の違い

研究を行ったのは、中国・華東師範大学の博士課程研究者ツィイー・リー氏らのチームです。
彼らは625人(女性315人、平均年齢32歳)の異性愛者を対象にオンライン調査を実施しました。

参加者はすべて現在のパートナーと性的関係を持っており、
過去1カ月以内に少なくとも1回の性行為を経験していました。

研究では以下の項目を測定👇

  • 性的嗜好をどれだけ開示しているか
  • 性的関係・恋愛関係の満足度
  • 感情的な親密さ
  • 性機能(性的健康)
  • パートナーの反応(受容・拒絶の度合い)

さらに、性的ではない一般的な自己開示も併せて比較されました。

💞「好きなこと」を伝える=関係が深まる

ポジティブな開示は満足度アップに直結

分析の結果、「性的に好きなこと」を開示した人は、
明確に関係の満足度・親密さが高い傾向を示しました。

特に女性では、「好きなことを伝える」ことで性機能(快感・欲求・満足度)も向上していたとのこと。

これは、パートナーに自分の欲求を明確に伝えることで、
互いの性的ニーズを理解し、より充実した関係を築けることを意味しています。

⚠️「嫌いなこと」を伝える=感情的デメリットも

ただし“伝え方”次第で結果は変わる

一方、「性的に嫌いなこと」を開示した場合には、やや複雑な結果が得られました。

  • 開示が多い人ほど、関係の満足度や親密さは低下傾向
  • ただし性的満足度や性機能には明確な悪影響はなし

つまり、「嫌いなことを伝える=関係が悪化」ではなく、
伝え方や相手の受け取り方によって影響が変わることが示唆されています。

💬 研究チームは次のように述べています。

「嫌いなことを打ち明けることは、望ましくない体験を避ける点では有効です。
しかし、それが“批判”として受け取られた場合、感情的なデメリットをもたらす恐れがあります。」

👩‍❤️‍👨性別によっても反応が異なる

この研究では、男性と女性で開示の影響が異なることも判明しました。

👨男性の場合

  • 「嫌いなこと」を伝えてもパートナーの反応が鈍い場合、勃起機能が低下する傾向
  • しかし、相手に理解され「受け入れられた」と感じた場合、この影響は消失

👩女性の場合

  • 「好きなこと」を多く開示しているほど、性機能が安定
  • 反応が鈍くても、「好きなこと」の開示が多いことで負の影響を打ち消せる

つまり、どちらの性別でも「パートナーの反応」が鍵を握っていることがわかります。


💡研究者のアドバイス:「嫌いなこと」を伝えるなら代替案も添えて

リー氏は次のようにアドバイスしています。

「より高い性的満足を得たいなら、“好きなこと”をパートナーに伝えることが不可欠です。
一方、“嫌いなこと”を伝える場合は、建設的なフィードバックを心がけましょう。
単に否定するのではなく、『代わりにこうしてほしい』という代替案を提示することで、
相手は前向きに受け止め、改善の方向性を理解できます。」

この“提案型コミュニケーション”こそ、性的関係における信頼構築の鍵と言えそうです。


🧩まとめ:「正直に伝える」ことの重要性とリスクのバランス

今回の研究は、性的コミュニケーションの繊細な側面を明らかにしました。

  • ✅ 「好きなこと」の開示 → 満足度・親密さUP
  • ⚠️ 「嫌いなこと」の開示 → 伝え方次第で関係が悪化するリスク

重要なのは、“何を”伝えるかよりも、“どう伝えるか”。
お互いに受け入れ合える関係を築くためには、
誠実さと配慮の両立が欠かせません。


📚 参考文献

タイトルとURLをコピーしました