💡 米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は8月22日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた年次経済シンポジウム(通称「ジャクソンホール会議」)で講演を行いました。講演では、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに着手する可能性を示唆する一方で、インフレリスクを警戒し「慎重に進める」と強調しました。

利下げの可能性とその背景 📉
パウエル議長は講演で、米労働市場について「表面的には均衡しているように見えるが、これは供給と需要の両方が著しく減速した“奇妙な均衡”である」と説明。
さらに「雇用に対する下振れリスクは高まっており、リスクが顕在化すれば急速に進行する可能性がある」と警告しました。
そのため、現在の政策は依然として引き締め的水準にあるが、状況次第では調整が正当化される可能性があると述べ、利下げの余地を認めました。
市場の反応と専門家の見方 💬
パウエル発言を受け、金融市場は即座に反応。
- 9月会合での0.25%ポイント利下げの確率は約85%に上昇(講演前は約75%)
- さらに12月に2回目の利下げがあるとの観測も優勢に
投資会社グレート・ヒル・キャピタルのトーマス・ヘイズ会長は、
「想定以上にハト派的な内容で、9月の利下げを後押しするものだ。唯一の懸念は9月初旬の米雇用統計が予想以上に強い場合だが、その可能性は低い」
と分析しています。
また、ドイツ銀行など多くのアナリストは、年末までに2回の利下げが実施されるとの見通しを示し、従来の「12月まで利下げなし」という予想を修正しました。
インフレと関税リスクについて ⚖️
一方でパウエル議長は、インフレが依然として主要な懸念事項であると指摘。
特に米政権による関税政策について、
- 「物価上昇圧力が持続的インフレを招くリスクがある」
- ただし「基本シナリオでは影響は徐々に薄れていく」
と述べ、インフレリスクを評価・管理する必要性を強調しました。
パウエル議長、最後のジャクソンホール講演 👏
今回の講演は、パウエル氏にとってFRB議長として最後のジャクソンホール会議でした。
講演冒頭、会場は総立ちとなり、参加者から盛大な拍手が送られました。
米金融政策を率いた7年間の功績を称える場面となりました。
まとめ ✨
- 📉 パウエル議長、9月の利下げの可能性を示唆
- ⚖️ インフレ・関税リスクを警戒し「慎重な姿勢」を強調
- 💬 市場は9月利下げを85%織り込み、12月にも追加利下げ観測
- 👏 議長として最後のジャクソンホール講演で観客総立ち
FRBの今後の決定は、世界経済にも大きな影響を及ぼすことが確実です。9月FOMCに注目が集まります。
