中国共産党の幹部や引退した長老らが、2025年8月上旬に河北省・北戴河に集結しました。
毎年恒例の「北戴河会議」では、10月に予定される 第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会) に向けて話し合いが行われた可能性が高いとみられています。
しかし近年、3期目を務める 習近平国家主席の権力低下説 が取り沙汰されており、専門家やメディアの間でも意見が真っ二つに分かれています。

習近平の権力を巡る評価🧐
- 英経済誌「エコノミスト」
👉 習の権力はこれまで以上に盤石だと評価。 - 米シンクタンク「ジェームズタウン財団」
👉 真逆の見解で、「習の失墜は近い」と予測。 - その他一部分析
👉 習の子供時代のトラウマなどを持ち出し、精神分析的に失脚が近いとする説も。
とはいえ多くの情報は噂や意図的に流された文書に基づくため、分析はしばしば矛盾してしまいます。
習政権を理解するための3つのポイント📌
1. 毛沢東時代よりも読みにくい政治構造
毛沢東時代は「急進派」か「現実派」に分かれていましたが、現在の中国共産党は複雑に入り組み、
企業支配や婚姻関係が絡み合う秘密主義的構造 になっています。
2. 権力争いの主要人物は「軽量級」
例えば張又俠(チャン・ヨウシア)は、かつては習の最側近とされましたが、現在は「敵対勢力の中心」とまで言われています。
👉 評価はその時々の状況で大きく変動します。
3. 中国政治分析は「巨大市場」
在外中国人を中心に、多くのオピニオンリーダーがYouTubeやXで発信しています。
一部は政治エンタメ化しており、中には 共産党の利益のために動くインフルエンサー も存在します。
習を脅かす可能性があるのは「資金」と「粛清」💰⚔️
専門家が挙げる 権力崩壊を見極めるテスト は2つ。
1️⃣ 「金力テスト」
👉 忠誠を買うには膨大な資金が必要。かつて上海閥は強大な資金力を持ちましたが、胡錦濤・温家宝、そして習の時代で弱体化しました。
2️⃣ 「粛清と変化」テスト
👉 指導者を追い落とすには、党・政府・軍から旧勢力を一掃し、政策や国家言説を急転換させる必要があります。
現在の中国ではその兆しはほぼ見られません。
つまり北戴河会議後も、習が権力を維持しているのは確実 といえます。
ただし経済低迷や健康問題が政治的逆風になる可能性は残されています。
習近平に「唯一残された後継者」🤔
では、もし習が突然退陣する事態になったら誰が後を継ぐのか?
- 李克強前首相は有力候補でしたが、2023年に急逝。
- 現在の側近たちは「イエスマン化」しており適格者とは言い難い。
そこで名前が挙がるのが…
薄煕来(ボー・シーライ) 元重慶市党委書記です。
薄はカリスマ性のあるポピュリスト的指導者で、多くの支持を集めました。
しかし2013年、汚職容疑で失脚し無期懲役に。実際の理由は「習より有力な後継者だったから」という見方も根強くあります。
ただし、薄には大きなハードルがあります。
- 76歳という高齢
- 獄中生活による健康リスク
- 支持基盤の喪失(仲間の多くが引退・死亡)
つまり「唯一の適格者」でありながら、復活はほぼ不可能に近いのです。
習近平後の中国はどうなる?🌏
中国には「人走茶涼(人が去れば茶が冷める)」ということわざがあります。
👉 権力を失えば、人はあっという間に忘れ去られるという意味です。
もし習の突然の退陣が起これば、後継不在のまま 政治的混乱が長期化するリスク もあります。
それはまさに習近平政権のレガシーになりかねません。
まとめ📝
- 習近平の権力は「盤石」と「崩壊寸前」の両方で語られるが、実際には依然として強固。
- 後任候補はほぼ不在で、唯一の適格者とされる薄煕来は獄中にあり、復活の可能性は極めて低い。
- 習の退陣が起これば、中国は深刻な政治的混乱に直面する恐れがある。
⚠️ 習近平体制の今後は、世界の政治・経済に大きな影響を与えるため、引き続き注視が必要です。
