現代社会では晩婚化や未婚率の上昇が進む一方で、恋愛を望む人は依然として多く存在します。そんな中、最新の研究から「収入の高さ」と「恋人ができる可能性」に明確な関係があることが示されました。
高収入の独身者は、そうでない人に比べて1年以内に交際を始める可能性が高いという事実が明らかになっています。

📊 高収入は「恋愛スタート」の後押しになる
カナダのトロント大学とカールトン大学の研究チームは、2つの大規模な調査を通じて「収入」と「恋愛行動」の関係を分析しました。
- **アメリカの独身者638人(25~35歳)**を対象に、半年後の恋愛状況を追跡
- ドイツの2774人の独身者を対象に、10年以上にわたる縦断データを分析
その結果、どちらの調査でも共通して明らかになったのは、**高収入であることが「恋愛に対する意欲」「準備の整い度」「恋人がほしいという願望」**に強く結びついているという点です。

❌「収入が高い=独身生活に満足している」は誤解
興味深いのは、収入が高いからといって独身生活への満足度が高くなるわけではないという点です。
調査では「高収入の人ほど独身生活を満喫している」という傾向は見られず、むしろ、恋人を求める意欲が高く、交際への準備もできていると感じている傾向が見られました。
つまり、高収入の独身者は「経済的安定を手にしたことで、恋愛に前向きになりやすい」状態にあるといえるのです。

❤️ 実際に恋人ができた確率も高かった
アメリカのオンライン調査では、半年後に実際に交際を開始した割合が高収入層で有意に高いことが判明。
さらに、ドイツの「German Family Panel」を用いた10年超の追跡調査でも、年収が高い独身者ほど1年以内に交際を始めている傾向が明確に表れました。
これは「恋人がほしい気持ちがあるだけ」ではなく、実際の行動に収入の影響が表れていることを示しています。

👩🦰 男女差もあるが収入の影響は共通
分析では、「収入が恋愛行動に与える影響」は男性の方がやや大きいという傾向が見られました。
しかし、女性も含めて全体的に高収入であるほど交際を始める可能性が高まるという点では男女共通です。
また、興味深いのは「昨年より収入が増えたかどうか」ではなく、「現在の収入レベル」が交際意欲に強く影響していた点です。
これは「短期的な景気よりも、長期的な安定感が恋愛行動を左右している」ことを意味しています。
🧠 経済的不安は恋愛を遠ざける要因に
論文の共著者であるトロント大学のジェフ・マクドナルド教授は、以下のように指摘しています:
「若い人たちは、自分の生活が安定していない状況では恋愛に集中できないと理解しているのです。例えば、週80時間働いていたり、来年どこに住むかも分からないような状況では、恋人を作る余裕がないのは自然なことです。」
つまり、「経済的安定」は単なるモテ要素ではなく、恋愛に取り組むための心理的・時間的余裕の土台でもあるのです。
🌍 文化的要因の違いにも注意
今回の調査は、アメリカとドイツという「個人主義的」な文化圏で行われました。そのため、家族の期待や結婚文化が強いアジア圏や中東などでは異なる結果が出る可能性があると、研究者は述べています。
文化的背景や性格、価値観なども恋愛行動に影響する要素であり、「収入=恋愛成功の鍵」と単純化すべきではありません。
📝 まとめ:恋愛も“投資とタイミング”がカギ
今回の研究からわかるのは、経済的な土台が整っている人ほど、恋愛に前向きで、実際に交際を始める可能性が高いということ。
恋愛を始めるにも「心の余裕」「時間の確保」「自信」が必要で、それらは収入によって大きく左右される側面があります。
とはいえ、「収入が高ければ誰でも恋愛に成功する」わけではなく、性格や価値観、文化的要素との複合的な関係であることも忘れてはいけません。