― Oracleの“証拠スクショ”に当事者が猛反発、審判所は「詐欺」主張を一旦却下

1️⃣ 何が起きているのか?
争点 | 概要 |
---|---|
当事者 | 商標保有者:Oracle 申立人:Ryan Dahl(Node.js / Deno 開発者)ほか 1.4 万名超のエンジニア |
目的 | 「JavaScript」という言葉を 一般名称化(商標取消) し、だれもが自由に使えるように |
申立理由 | ①一般名称化 ②詐欺的更新 ③不使用放棄 |

2️⃣「詐欺」主張とは?
Oracle は 2019 年の商標更新時、Node.js 公式サイトのスクリーンショットを
「自社の“商用利用”実績」として米国特許商標庁(USPTO)へ提出。
- Node.js は Oracle と無関係 → Dahl 氏は「欺瞞だ」と指摘
- しかし 商標審判・控訴委員会(TTAB)は 2025/6/18
- 「詐欺を立証する論拠が足りない」として 主張を却下
- 修正版の再提出は 7/8 まで可(Dahl 氏は提出しない方針)

3️⃣ Dahl 氏のコメント 🗣️
「Oracle はコンテンツをねつ造してまで“使用実績”を作った。
Node.js 創始者として到底容認できない。
ただし我々の本丸は 『JavaScript を自由に』 すること。
“詐欺” で時間を浪費するつもりはない」

4️⃣ 残る二つの論点
論点 | キモはココ |
---|---|
一般名称化 | “JavaScript” は既に世界的に一般名詞化。商標の存続は不当? |
不使用放棄 | Oracle が 3 年以上「JavaScript」名義で商品・サービスを提供していないのでは? |
🔜 Oracle の回答期限:2025/8/7
TTAB が審理を進め、最終的に商標の存廃を判断する。
5️⃣ なぜコミュニティは怒っているのか?
- 言語名としての普遍性
- HTML・CSS と並ぶ “ウェブ三種の神器” を特定企業が独占?
- 商用利用の萎縮
- 書籍タイトルやイベント名、プラグイン名にも“JavaScript”表記を避ける動きが出る恐れ。
- オープンソース精神との乖離
- そもそもブラウザベンダーや開発者が共同で発展させてきたエコシステム。
6️⃣ 今後のシナリオ 🔮
パターン | 結果 | 影響 |
---|---|---|
✅ 商標取消 | “JavaScript” 完全フリー化 | 書籍・教材・ライブラリ命名の自由度UP |
⚠️ 継続保有 | Oracle の管理下継続 | 利用許諾の線引きが曖昧なまま… |
🤝 和解・ライセンス開放 | 名称は保持しつつ無償ライセンス化 | Swift / Rust の商標モデルに近い形 |
✍️ まとめ
- TTAB は「詐欺」主張をいったん退けたが、
一般名称化・不使用放棄 の審理はこれからが本番。 - Oracle が 8/7 までに正式回答、今後数カ月〜年単位で決着へ。
- “JavaScript™”は誰のものか?
ウェブ開発者コミュニティ全体が注目する歴史的ケースとなりそうです。