第二次世界大戦中、アメリカ海軍が「アイスクリーム専用船」を運用していたことをご存知ですか?
酒の代わりに、アイスクリームが水兵たちの癒やしと報酬の象徴となっていたのです。
このユニークな歴史は、元船乗りで作家のリック・スピルマン氏が運営するブログ「Old Salt Blog」で詳しく語られています。
🔗 How Ice Cream Replaced Booze in the US Navy(Old Salt Blog)

🚫 1914年、海軍の“禁酒令”が発令
アメリカ海軍における「アルコール禁止」の歴史は、1914年の一般命令第99号に始まります。
当時のジョセファス・ダニエルズ海軍長官は、以下のように命じました:
- 🛳️ 海軍艦内・施設でのアルコールの持ち込み・消費を全面禁止
- 🍷 士官室や艦長室ですら例外なし
これは、それまで航海中のささやかな楽しみであった飲酒文化を完全に断ち切るものでした。

🧊 禁酒法とアイスクリームの関係?
1920年、アメリカ全体にも禁酒法が施行され、酒は違法に。
代わりに多くのビール醸造所がソーダやアイスクリーム製造に転換!
🍦 アイスクリームパーラーが全国に広まり、社交の場として人気に
😌 ストレス解消や気晴らしとしての「アルコールの代替手段」にもなりました。

🚢 海軍にも“アイスクリームバージ”が登場
1933年、禁酒法は廃止されましたが、海軍の禁酒命令は継続。
第二次世界大戦時、士気を高める目的で**“アイスクリーム・バージ(浮き船)”が配備**されます。
このバージは、西太平洋の艦船へアイスクリームを大量供給し、戦地の兵士たちに甘いひとときを届けました。

📖 実話:沈没直前にアイスを取り出した水兵たち
空母「レキシントン」が日本軍の魚雷攻撃を受けて沈む際、乗組員たちは次の行動に出ました:
「船を放棄する前に、冷凍庫からできるだけアイスクリームを持ち出した」(記録より)
命がけの状況でも、アイスクリームがそれほど大切だったのです。
✈️ パイロット救出で「10ガロン」の報酬
空母では以下のような報奨システムが実施されていました:
- 🎯 撃墜された味方パイロットの救出 → 10〜30ガロン(約45〜135L)のアイスクリームが支給!
退役軍人トム・コクルコ氏もこう語ります:
「パイロットを助けるたびにアイスがもらえて嬉しかった。仲間内では冗談で『1機落としてこようか?』なんて言い合ってました(笑)」
🍹 ラムの「トット」からアイスの「トット」へ
かつて航海が順調な日には、乗組員にラムが配られる「トット」がありました。
しかしアメリカ海軍ではそれがアイスクリームに取って代わったのです。
🇬🇧 イギリス海軍では1970年の「ブラック・トット・デー」までラムが支給されていましたが、
🇺🇸 アメリカ海軍では1914年以降ずっと禁酒のまま。
→ 🍦 アイスが“ご褒美”としての地位を確立しました。