🚰健康のために「おしっこを飲む」のは本当に効果的?科学的に検証してみた

🚰健康のために「おしっこを飲む」のは本当に効果的?科学的に検証してみた #ニュース・社会・コラム
SNSやテレビ番組などでも時折話題になるこの療法。著名人が実践しているという話もありますが、果たして本当に体に良いのでしょうか? それとも、リスクの方が大きいのでしょうか?

「飲尿療法(にょうにょうりょうほう)」をご存じでしょうか?
これは、自分の排せつした尿を飲むことで健康を促進しようとする民間療法で、古代から現代に至るまで一部で実践されています。

SNSやテレビ番組などでも時折話題になるこの療法。著名人が実践しているという話もありますが、果たして本当に体に良いのでしょうか? それとも、リスクの方が大きいのでしょうか?

今回は薬剤師であり、イギリス・キングストン大学の上級講師ディパ・カムダー氏の解説をもとに、「飲尿療法」の真偽を科学的に検証してみましょう。

🧪「飲尿療法」とは?誰がやっているの?

飲尿療法とは、その名の通り「自分の尿を飲む」ことで健康効果を得ようとする民間療法です。
この習慣はインドの伝統医学・アーユルヴェーダにも登場し、古代ローマの詩人カトゥルスは「尿が歯を白くする」と信じていたとか🦷。

✅有名な実践者たち

  • さくらももこさん(『ちびまる子ちゃん』の作者)
  • まんきつさん(漫画『湯遊ワンダーランド』の作者)
  • 古舘伊知郎さん(元ニュースキャスター)
  • ファン・マヌエル・マルケス(メキシコの元プロボクサー)
  • モラルジー・デーサーイー(元インド首相。「長寿の秘訣は1日1杯の尿」)

書籍としても、1945年にイギリスの自然療法家ジョン・アームストロング氏が『生命の水:奇跡の尿療法』を出版。日本やナイジェリア、中国でも関連の療法が報告されています。

💧尿の成分とは?再利用すべき栄養なのか?

尿は、体から不要な老廃物を排出するために作られたもの。
主な成分は以下の通りです:

  • 約95%が水分
  • 約2%が尿素(タンパク質の代謝産物)
  • クレアチニン、ナトリウム、カリウム、アンモニアなどの老廃物

飲尿療法の支持者は「尿には過剰な栄養素(ビタミン・ミネラルなど)が含まれており、再び体に取り込むことで健康になる」と主張しますが、専門家はこの説に懐疑的です🤔

🔍 ポイント
コップ1杯の尿に含まれる栄養素は非常に微量で、健康効果があるとは言い難い。
普通の食事やサプリの方が、はるかに効率的に栄養補給できます。

🛡️免疫力アップ?デトックス効果?──科学的根拠は?

一部では、尿に含まれる抗体がアレルギーや自己免疫疾患の予防・治療に役立つという説もあります。

また、飲み続けることで「体内の毒素が排出され、血液と尿がきれいになる」という主張も見られます。

しかし、カムダー氏によれば、これらの主張には科学的根拠がないとのこと。

🧬「治療効果がある」との説は多くが個人の経験談や古い文献に基づいており、信頼性に欠ける。

⚠️リスクは?飲尿がもたらす健康への影響とは

一部のインフルエンサーは、尿を顔に塗ることでニキビが治る、感染症を防げると主張しますが、これにも医学的な裏付けはほとんどありません。

尿素には保湿作用があるため、スキンケア成分としては使われることがありますが、尿に含まれる尿素濃度では効果は限定的です。

🚨飲尿のリスク一覧

リスク内容詳細説明
🔬細菌汚染尿は無菌と思われがちですが、健康な人の尿にも微量の細菌が含まれており、体外に出る過程で汚染される可能性も高い。
💊薬物再摂取一部の薬(抗生物質や心臓病の薬など)は尿からも排出され、再び体に取り込むと副作用や毒性のリスクが高まる。
💧脱水のリスク尿を再び取り込むことで腎臓に負担がかかり、排せつのためにさらに水分が必要になるため、脱水の危険がある。
🧠誤った安心感飲尿によって「自然療法で健康になれる」という誤った安心感を持ってしまい、必要な医療を受けないことも問題。

🩺結論:「飲尿療法」に健康効果を期待するのは危険かも

科学的な裏付けに乏しく、リスクばかりが目立つ飲尿療法。
ディパ・カムダー氏は次のように述べています:

「少量の飲尿であれば、健康に大きな害が出る可能性は低いですが、医学的なメリットはほぼありません。確実に健康効果を得たいなら、信頼できる科学的療法を選びましょう」


🧭代わりにできる「科学的に裏付けられた健康法」

尿を飲まずとも、以下のような方法で健康を高めることができます:

  • 🥗 栄養バランスのとれた食事
  • 🏃‍♂️ 定期的な運動
  • 😴 十分な睡眠
  • 🚰 適切な水分補給
  • 🧘‍♀️ ストレスの管理
  • 💊 医師の診断に基づいた治療

💡まとめ:「尿は体が不要と判断した物質の集合体」です。
それを再び飲むことに明確なメリットはなく、むしろリスクの方が高いと考えられます。

健康のためにできる選択肢は他にもたくさんあります。ぜひ、科学的に信頼できる方法を選んでくださいね!

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