🐦「大きな鳥は頭が悪い」は誤解だった?エミューはパズルを解くが、ダチョウは…

🐦「大きな鳥は頭が悪い」は誤解だった?エミューはパズルを解くが、ダチョウは… #ニュース・社会・コラム
近年、カラスやオウムといった高い知能を持つ鳥たちが注目を集める中、「世界で最も愚かな鳥」とまで揶揄されるエミューなどの大型鳥類が、なんとパズルを解く実験で"イノベーション能力"を発揮したことが明らかになりました。

「飛べない鳥は知能が低い」なんて、もう古い常識かもしれません。

近年、カラスやオウムといった高い知能を持つ鳥たちが注目を集める中、「世界で最も愚かな鳥」とまで揶揄されるエミューなどの大型鳥類が、なんとパズルを解く実験で”イノベーション能力”を発揮したことが明らかになりました。

この研究は、鳥類の知能に関するこれまでの偏った見方に一石を投じる結果となっています。

🧠 カラスやオウムばかりが注目されていた鳥の知能研究

鳥類の知能といえば、カラスが道具を使い、オウムが確率を理解するなど、人間顔負けの能力が話題になっています。これらの鳥は「新顎類(しんがくるい)」に分類される種類で、知能に関する研究も豊富に行われてきました。

ところが、それ以外の鳥、特に「古顎類(こがくるい)」と呼ばれる、ダチョウやエミューなど飛べない大型の鳥については、ほとんど研究されておらず、「鳥頭」「愚かな鳥」というレッテルが貼られてきたのです。

🔬 実験で明らかになったエミューやレアの意外な知能

イギリス・ブリストル大学の研究チームは、鳥類の知能の多様性を探るべく、イギリスのノアズ・アーク動物園で以下の古顎類の鳥たちにパズルを解かせる実験を行いました。

  • エミュー:3羽
  • レア(ダチョウの近縁種):2羽
  • ダチョウ:4羽

🧩 パズルの内容は?

  • 回転するホイールで蓋をされた透明な容器に餌(レタス)を入れます。
  • ホイールには1つだけ開いた穴があり、餌の位置とこの穴を合わせないと取り出せません。

一見シンプルな仕掛けですが、対象の鳥たちにとっては初体験の課題。つまりこれは、新しい状況にどう対処できるか=イノベーション能力を測る実験でもあります。

✅ 驚きの結果:エミューは見事にパズルを解く!

  • エミュー3羽中3羽がホイールを回してパズルを解くことに成功✨
  • レア2羽中1羽も同様の成果を出しました。
  • 特に興味深いのは、90%の試行でエサに最短距離になる方向に回転できたこと。これは、鳥たちがランダムに回していたわけではないことを示しています。

さらに、もう1羽のレアは中央のボルトを外してパズルを強引に破壊し、餌を一気にゲットするという大胆な解決法を2回も披露!研究チームはこれを「第二のイノベーションの形」と評価しています。

ホイールの穴とエサが入ったポケットの位置がずれているので、そのままではエサを食べることができません。

くちばしでホイールを回転させて、見事に大好物のレタスをゲットしました。

パズルを解体するという荒技を見せた個体もいました。この個体も、後できちんとパズルを解いたそうです。

🪶 残念ながら、ダチョウは全滅…

一方で、ダチョウ4羽はいずれもパズルを解くことができませんでした。残念ではありますが、これも貴重なデータです。


🧬 この研究が意味すること:恐竜時代の知能進化にもヒント?

ブリストル大学のフェイ・E・クラーク氏は次のように語ります。

「古顎類のイノベーションは、新顎類のように複雑ではないものの、それでも重要な発見です。
これまで彼らに”愚か”というレッテルが貼られていたのは、研究されてこなかったからに過ぎないかもしれません」

古顎類は、恐竜に近い系統を持つとされ、鳥類の進化や知能の起源を解明する上でも極めて重要な手がかりとなります。

✍️ まとめ:鳥の知能は「サイズ」や「飛べるか」で決まらない!

この研究結果は、鳥の知能を偏見で判断することの危うさを示す好例です。見た目が大きくて、飛べないからといって「愚か」とは限らないのです。

「エミューがパズルを解いた」という事実は、私たちがまだ知らない鳥たちの能力が世界にはたくさん眠っていることを物語っています🕊️

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