
1. テアニンとは何者か?
緑茶や玉露に多く含まれるアミノ酸 L‑テアニン。脳内でグルタミン酸と似た働きをするとされ、
- リラックス効果
- ストレス・不安の軽減
- 睡眠の質向上
- 認知機能のサポート
──などがうたわれています。ところが、過去の臨床研究を精査すると「有意差ナシ」「小規模で質が低い」といった報告がほとんど。そこで著者 Dynomight 氏は、自ら16カ月の二重盲検自己実験に挑戦しました。

2. 実験デザイン:素人でもできる“家庭内 RCT”
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 2023.1 〜 2024.4(16カ月) |
| 被験者 | 著者本人(30代男性、テアニン常用歴10年以上) |
| 介入 | – テアニン200 mgカプセル ×2 |
- ビタミンD 25 µg(プラセボ)×1 |
| 割付 | マグカップに3カプセル(テアニン2:プラセボ1)を入れ、ストレス時に無作為に1錠服用 |
| 評価指標 | – 服用前後の主観的ストレス(1〜5) - テアニンを飲んだかの自己予測(%) |
| 盲検化 | カプセル外観・重量がほぼ同じ※で判別不可 |
※NOW Foods製サプリを採用

3. データ収集フロー
- ストレスを感じたら即レーティング
- カプセルを見ずに1錠服用
- 1時間後、再度ストレスを評価
- カップを確認し実薬/プラセボを記録
★ 最後の2カ月はデータ数確保のため「毎日服用」に切り替え、総計94ポイントを取得

4. 結果:グラフで読む「テアニン vs プラセボ」
4‑1. ストレス変化の平均
- テアニン摂取時:平均ストレス低下
- プラセボ摂取時:ほぼ同程度の低下
➡ 有意差ナシ(p > 0.05)
4‑2. 自己予測の正答率
- 正解率:約33%(ランダム水準と同じ)
➡ 「今日は効いた気がする」は錯覚 という結論。

5. なぜ効いたと感じたのか?― 3つの解釈
| 仮説 | コメント |
|---|---|
| ① 平均への回帰 | ストレスは放っておいても時間とともに下がる |
| ② プラセボ効果 | 「飲んだ=楽になるはず」という期待が症状を緩和 |
| ③ サプリ品質 | テアニン量不足 or ビタミンDが意外にリラックス? |
いずれにせよ “テアニンの固有効果” は 検出できず。
6. 実験から得た教訓 🔍
- 思い込みは科学で打ち砕くべし
- 個人でも盲検・ランダム化は実施可能
- データポイントは最低100件が理想
- 効能を主張する側に立証責任がある
7. まとめ&次に試すなら?
「10年以上愛用した私でも、統計的には“効いていない” かもしれない」
- テアニン愛好家は自己実験で検証を
- 他のサプリでも同じ手法が応用可
- エビデンスが乏しい成分は続ける理由を再考してみよう
📌 Dynomight 氏はブログでデータ・スクリプトを公開中。興味がある人はぜひ再解析や追試を!
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