闇サイト「シルクロード」関連で1000億円相当のビットコインが突如移動、その背後にいるのは誰か？

🕵️‍♂️ 違法ドラッグなどの取引に使われていた伝説的な闇サイト「シルクロード」。その関連資産とされるおよそ1000億円相当のビットコインが、突如として新たなウォレットに移動されたことが判明しました。シルクロード閉鎖から7年が経過した今、なぜこのタイミングで？その動きの背景を詳しく追います。

シルクロードとは？暗黒取引の温床だった闇サイト🕸️

「シルクロード（Silk Road）」は2011年に開設され、通常の検索エンジンでは辿り着けない“ダークウェブ”上で運営されていた匿名マーケットプレイスです。主に以下のようなものが取引されていました。

このサイトの最大の特徴は、匿名性の高い通信プロトコル「Tor」と、当時まだ一般的ではなかった仮想通貨「ビットコイン（Bitcoin）」を使っていたこと。これにより、ユーザーの身元や取引履歴が秘匿されていたのです。

シルクロードの運営者ロス・ウルブリヒトは、リバタリアン思想に傾倒し「自由市場の象徴」としてシルクロードを運営。しかし2013年、FBIによって逮捕され、マネーロンダリングや麻薬取引などの罪で仮釈放なしの終身刑が下されました。

FBIは当時、サイトが保有していた174,000BTC（ビットコイン）を押収しましたが、まだ45万BTC（＝数千億円規模）は行方不明のままです。

アメリカ大統領選の開票速報で国中が注目する2020年11月3日（現地時間）、あるウォレットから69,370BTC（約1000億円相当）が新たなウォレットへと移動されたことがブロックチェーン分析により確認されました。

この方法は、大口送金者の間では比較的一般的なプロセスです。

この大規模送金の正体は不明なままですが、いくつかの仮説があります。

ただしウルブリヒトは終身刑で服役中であり、刑務所から送金するのはほぼ不可能と考えられています。

ビットコインアドレスは公開情報であり、過去には「秘密鍵を含むファイル」がハッカーフォーラムで出回っていたという報告も。パスワードを解析された可能性も否定できません。

暗号通貨アナリストのトム・ロビンソン氏は「選挙に注目が集まるタイミングを狙って送金した」と指摘しています。

専門家のデイヴィッド・ジェラルド氏は、以下のようにコメントしています。

「ビットコインは完全に追跡可能で、ブロックチェーン上で誰でも履歴を確認できる。巨額のビットコインを現金化するのは至難の業。」

つまり、たとえ秘密鍵を手に入れても、それを換金して利益に変えるには大きなリスクと技術が必要です。

仮に押収されなかった45万BTCが現在でも存在していれば、その価値は1兆円以上に及ぶ可能性があります。

違法取引サイト「シルクロード」はすでに閉鎖されていますが、その痕跡は今もブロックチェーン上に残り続けています。今回の1000億円相当のビットコインの移動は、ダークウェブと仮想通貨の関係性、そして「デジタル資産の透明性とリスク」を再認識させる出来事となりました。

今後このビットコインが現金化されるのか、それとも再び眠りにつくのか――仮想通貨の世界から目が離せません。