📺YouTubeが1万超のプロパガンダアカウントを削除:中国・ロシア・イランなどが対象に

📺YouTubeが1万超のプロパガンダアカウントを削除:中国・ロシア・イランなどが対象に #news
2025年7月21日、Googleは同社のセキュリティチーム「Threat Analysis Group(TAG)」によるレポートを公開し、YouTube上で削除したプロパガンダ系アカウントが1万1000件を超えたことを明らかにしました。

2025年7月21日、Googleは同社のセキュリティチーム「Threat Analysis Group(TAG)」によるレポートを公開し、YouTube上で削除したプロパガンダ系アカウントが1万1000件を超えたことを明らかにしました。これは2025年第2四半期(4月〜6月)における報告で、国家の関与が疑われる影響工作が多数行われていた実態が浮き彫りとなっています。

🌐削除対象の多くが中国・ロシア関連のアカウント

Googleによれば、確認されたプロパガンダ系チャンネルのうち:

  • 🟥 中国関連7,700件以上
  • 🟦 ロシア関連2,000件以上

これらのチャンネルは、自国政府を支持しつつ、西側諸国を批判するコンテンツをさまざまな言語で発信していたとされます。

📌削除されたプロパガンダの具体的な内訳

TAGのレポートでは、削除対象となった具体的なチャンネル数や内容が月別で詳しく記載されています。以下は代表的な削除事例です。

🔸4月の主な事例

  • トルコ:トルコ語で特定政党(勝利党)を支持する43チャンネル削除
  • ロシア:英語やロシア語、ウクライナ語などで西側諸国を批判するチャンネルを多数削除(計1100件超)
  • イラン:パレスチナ支持・イスラエル批判のアラビア語コンテンツを持つ12チャンネルを削除
  • アゼルバイジャン:アルメニア批判の356チャンネル
  • 中国:外交政策に関連する中国語・英語のチャンネル1545件

🔸5月の主な事例

  • ロシア:RT(ロシア国営メディア)と関係がある20チャンネルなどを削除
  • 中国:習近平主席支持の英語チャンネルを含む計3598チャンネル
  • アゼルバイジャン:アルメニア批判のチャンネルをさらに457件削除

🔸6月の主な事例

  • ロシア:さらに約400件のチャンネルが削除対象に
  • 中国:外交関連の2598チャンネル削除
  • イスラエル:イスラエル支持・パレスチナ批判のチャンネルも4件削除

🔍コンテンツの透明性には依然課題も

Googleは削除の理由として「プラットフォームのポリシー違反」と説明していますが、各チャンネルが具体的にどのような虚偽情報や扇動行為を行っていたかの詳細は明かされていません

また、TAGの報告からは、削除対象となったコンテンツが必ずしも一方的ではないことも見て取れます。

たとえば、

  • 🇮🇱 イスラエル支持・パレスチナ批判のコンテンツも削除されている一方、
  • 🇵🇸 イランによるパレスチナ支持・イスラエル批判のコンテンツも削除されています。

つまり、Googleは親イスラエル・反イスラエルのどちらか一方を支持しているわけではなく、「外部影響工作」全体に対して対処を行っているという立場をとっていると読み取れます。

🏛️影響工作のトレンドとプラットフォームの課題

近年、SNSや動画共有プラットフォームを使った「影響工作(influence operation)」は、選挙・国際世論・外交関係にまで深刻な影響を与えるようになっており、YouTubeもその主戦場の一つとなっています。

国家レベルの関与が疑われるプロパガンダ活動は、以下のようなパターンを取ることが多くあります:

  • 自国政府の正当性を強調する
  • 他国の政府や文化、外交政策を批判する
  • 西側民主主義諸国に対する疑念を拡散する
  • 情報量を操作して世論を誘導する

📊前四半期にはさらに多くの削除件数

Googleは、2025年第1四半期(1月〜3月)には約23,000件のアカウントやチャンネルを削除しており、今回の1万1000件と合わせると、半年で約3万4000件超のアカウントが排除されたことになります。

これらの取り組みは、ユーザーの信頼性や健全な情報環境を守る上で重要なステップであるといえる一方で、検閲・言論の自由とのバランスも議論の対象となっています。


🧾まとめ:情報の自由と監視の境界線とは?

  • ✅ 2025年4月〜6月だけで、YouTubeから約1万1000件のプロパガンダ系チャンネルが削除
  • ✅ 対象は中国・ロシア・イラン・トルコ・アゼルバイジャンなど多国籍にわたる
  • ✅ 西側批判や外交政策への攻撃的なコンテンツが中心
  • 表現の自由とプラットフォーム運営ポリシーの間の微妙なバランスが問われる問題でもある

現代の情報社会では、「誰が情報を発信しているのか」「その目的は何か」を見極めるリテラシーが今まで以上に重要になっています。今後もGoogleやMetaをはじめとするプラットフォーマーがどのような姿勢で情報対策に臨むのか、注視していく必要があるでしょう。

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