🐍Pythonソフトウェア財団、2億円超の政府助成金を辞退

🐍Pythonソフトウェア財団、2億円超の政府助成金を辞退 #news
Pythonソフトウェア財団(PSF)が、DEI禁止条項への懸念から2億円超のNSF助成金を辞退。背景・理由・影響をわかりやすく解説し、Pythonエコシステムの今後の課題をまとめます。

「DEI(多様性・公平性・包摂性)」を巡る条件に懸念

Pythonの普及とエコシステムを支える**Pythonソフトウェア財団(PSF)**が、
アメリカ国立科学財団(NSF)の助成金——**150万ドル(約2億2800万円)**の受給を辞退したことが話題を呼んでいます。

最大規模となるはずだった助成金を、なぜPSFは断念したのでしょうか?
背景には、DEI(多様性・公平性・包摂性)に関する価値観と条件の衝突があったとされています。

🔍PSFが申請していた助成金とは?

PythonとPyPIの「構造的脆弱性」対策を目的とした大型支援

2025年1月、PSFはNSFの助成プログラム
**「オープンソースエコシステムの安全性・セキュリティ・プライバシー」**へ初めて提案書を提出しました。

この助成金は、

  • PythonやPyPIの脆弱性対策
  • セキュリティ開発体制の強化
  • エコシステム保護のための研究開発

などに活用される予定で、コミュニティにとって極めて大きな意味を持つものでした。

PSFの年間予算約500万ドル(約7.6億円)に対し、今回の助成金は年規模で約20%以上を上乗せできる規模
組織としても“これまでで最大の支援金”になるはずでした。

🎉PSFは狭き門を突破して「助成対象」に推薦されていた

NSFの新規申請者の採択率は約36%。
初回申請では半分以下しか通らない難関にもかかわらず、PSFは助成対象として正式に推薦される段階まで進んでいました

プロジェクトの主任研究者には、

  • Python常駐セキュリティ開発者 Seth Larson 氏
  • 副事務局長 Lauren Crary 氏

という、PSFを支える中心人物が担当。
PSF内部でも期待が非常に高かったことがうかがえます。

⚠️しかし受給条件に「DEIを禁止する条項」が……

助成金受給にあたり、NSFから求められた条件の中に、PSFが問題視した項目がありました。

それは……

「助成期間中は、連邦の反差別法に違反するDEI推進プログラムや公平性イデオロギーを推進・促進してはならない」

という内容の声明に同意すること。

PSFは日頃から DEI(多様性・公平性・包摂性)を組織理念の中心に据えている ため、
「DEIを推進しない」という制約は受け入れられないと判断しました。


🧭PSFの決断:「価値観を曲げてまで助成金は受け取れない」

PSFの理事会はこの声明を協議した結果、満場一致で申請取り下げを決定

財団は次のように述べています。

  • DEIはPSFの使命の中核である
  • Pythonコミュニティの健全性に不可欠
  • 価値観を犠牲にしてまで受給することはできない

結果として、PSFは2億円超の助成金を辞退するという大きな決断を下しました。


💡助成金辞退でPSFは「より財政支援が必要な状態」に

PSFは今回の決定に伴い、次のような課題も明らかにしています。

  • 大型助成金の辞退により 財政基盤は以前より厳しくなる
  • コミュニティからの寄付や会員支援がさらに重要になる
  • Pythonの安全性向上プロジェクトを継続するためにも広く協力を求めている

Pythonは世界的に利用される重要な言語であり、
そのエコシステム維持のための資金が十分でないという点は、
今後の議論にもつながりそうです。


📝まとめ:価値観と資金調達のジレンマが浮き彫りに

今回の出来事は、オープンソース組織における「価値観」と「資金」の緊張関係」 を象徴するニュースとなりました。

PSFは2億円以上の支援を捨ててでも、自分たちの理念——特にDEIを守る姿勢を示したことになります。

Pythonコミュニティ全体にとって
「DEIを守る一方でエコシステムの持続的運営をどう確保するか」
という新たな課題が浮かび上がったと言えるでしょう。

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